特別支援学校と特別支援学級の違いとは?【通級・メリット・対象・人数・教員】

子どもの特性に合った学びの場を選ぶことは、将来の自立や進路を左右する大切な決断ですよね。しかし、特別支援学級と特別支援学校のどちらを選ぶべきか、具体的な違いや判断基準が分からず迷う保護者の方は少なくありません。そんな方のために本記事では、特別支援学級と特別支援学校の違いやメリット、デメリットについて解説します。ぜひ参考にしていただき、子どもにあった学びの場を選択してくださいね。

特別支援学校と特別支援学級って何?

特別支援学校は障がいがある子どもの為の教育機関

特別支援学校は、障がいを持つ子どもたちのための教育機関です。園児から生徒までが通う幼稚部~高等部が設置されています。子どもたちは障がいの状態や特性に細やかに合わせ、将来の自立した日常生活や社会参加に必要不可欠なスキルを身につけていますよ。子どもたちがそれぞれのペースで安心して成長できるよう、専門的な知識を持った教員が寄り沿い、子どもたちの成長をサポートしてくれます。

特別支援学級は通常学級の生活や学習をサポートする学級

特別支援学級は、障がいのある児童生徒のために小・中学校内に設置される少人数のクラスです。1クラスは原則8人以下で構成され、子どもの特性や進度に応じた柔軟な学びを提供されていますよ。特定の教科や行事の時間は通常の学級で一緒に過ごす交流及び共同学習も盛んです。自閉症や知的障がいなど、文部科学省が定める障がい種別ごとに分かれています。普段は通常の学級に在籍し週に数時間だけ指導を受ける通級という方法もありますよ。

特別支援学校と特別支援学級の違いは?

教員の人数

特別支援学校と特別支援学級では、配置される教員の人数の基準が違います。学校全体で手厚いサポートを行う特別支援学校では、児童生徒3人に対して教員1人の配置が基本です。重複障がい学級の場合は2人に対して1人となり、より濃密な介護や専門的ケアが可能ですよ。一方、小・中学校内にある特別支援学級は、1クラスの定員が原則8人以下で、そこに担任教員が1人配置されます。このように、学校全体の専門体制で手厚く人員を組む学校と、少人数クラスで個々に対応する学級とで、教員数に違いがあります。

支援の範囲

特別支援学校と特別支援学級は、サポートしてくれる支援の範囲が大きく異なります。学校全体が専門機関である特別支援学校の支援範囲は、学習だけでなく生活すべて支援範囲ですよ。食事や着替え、排泄の介助に加え、看護師による医療的ケアやリハビリなど、自立に向けた手厚い全面サポートが受けられますよ。一方、地域の小・中学校内にある特別支援学級は、学習と集団行動の補佐が中心です。身の回りのことは自分でできることを前提に、勉強の遅れやコミュニケーションの困りごとをピンポイントで支えます。

1クラスの上限

特別支援学校と特別支援学級では、法律で定められた1クラスあたりの人数の上限が異なります。学校全体が専門機関である特別支援学校は、小・中学部では1クラスの上限が原則6人です。高等部は8人なので少人数で手厚いサポートなのが分かりますよね。さらに、複数の障がいを併せ持つ子のクラスの重複障がい学級では、上限が3人と非常に少なく設定されていますよ。一方、地域の小・中学校内にある特別支援学級は、障がいの種類に関わらず、1クラスの上限は原則8人です。

学校の場所

特別支援学校と特別支援学級では、学校がある場所がが大きく違います。地元の小・中学校内にある特別支援学級は、近所の子どもたちと同じ身近な学校に設置されています。そのため、通学しやすく地域との繋がりを持ちやすいのが特徴ですよね。一方、独立した専門の学校である特別支援学校は、広い地域に一つ配置されることが多いです。自宅から離れた場所にあるのが一般的ですよ。学区が広いため、多くの学校でスクールバスが運行されており、遠方からバスや電車を利用して通学するケースもあります。

専門性

特別支援学校と特別支援学級では、教員や設備の専門性の深さに大きな違いがあります。学校全体が専門機関である特別支援学校は、教員の多くが特別支援学校教諭免許状を持っています。障がいの特性に応じた高い専門知識を有していますよ。言語聴覚士などの専門家と連携したリハビリや専用設備、バリアフリー化された環境が学校全体に整っています。一方、地域の小・中学校内にある特別支援学級の担任は、通常の教員免許を持つ先生が中心ですよね。個別の指導計画に基づききめ細かく対応しますが、設備は通常の校舎を一部改修して使用するため、一般的な学校とほぼ同じです。

特別支援学校のメリット

専門性の高い支援が受けれる

特別支援学校のメリットは、専門性の高い支援を受けれることです。障害の知識を豊富に持っている教員が、子どもの特性を分析して、子どもにあった課題を作って成長を促してくれますよ。進路支援においても、障害者雇用に積極的な企業や進学先等の情報が集約されているので、一般の学校よりも多様な選択肢の提示が可能です。また、子どもへの教育にとどまらず、保護者への伴走型サポートも徹底していますよ。専門的な知見に基づく家庭療育のアドバイスを提供し、家族の孤立を防ぐ支援体制が構築されています。

特別支援学校のデメリット

手続きが少し複雑で時間がかかる

特別支援学校のデメリットは、手続きが少し複雑で時間がかかることです。特別支援学校を利用したいと思ったら、まずは早めの一歩を踏み出してみましょう。入学にあたって、子どもの特性をしっかりと家族が理解してあげることが大切です。家族が特性への理解を深めることで、学校側とのサポート体制にお子さま自身も安心してのびのびと過ごせるようになります。特性にしっかりと目を向けたうえで、お子さまにとってベストな進路を一緒に考えていきましょう。

特別支援学級のメリット

学習面のサポートが厚い

特別支援学級のメリットは、個々の特性に応じた手厚い学習サポートです。個別の指導計画に基づき、苦手な分野を子ども自身のペースで、着実に学ぶことができますよ。また、通常学級の授業や行事に参加する仕組みもあります。障害の程度に合わせて、子どもに配慮した柔軟な参加方法が可能です。大人数の中で音楽や体育などを共に学ぶことで、コミュニケーション能力や協調性を育むことができるでしょう。このように支援学級は、子どもの成長に合わせた学びと、通常学級との交流の機会が両立できる環境が整っています。

特別支援学級のデメリット

進学や就職先が限られてしまう

特別支援学級は、個別に最適な学びができます。これは大きなメリットですよね。しかし一方で、デメリットもあります。普通クラスや特別支援学校に比べて、卒業後の進路が制限されやすい点です。そのため、就学先や進学先を決める前に動きましょう。学校がどのようなサポート体制を持っているか、事前に確認が必要です。確認を怠ると、将来一般高校を受験できない可能性や就職に向けた実習の機会を逃すことにもなりかねません。学校見学や面談の際には、過去の進路実績などを確認しておくと安心です。早期から将来を見据えて動くことが、子どもの選択肢を広げる鍵となるでしょう。

特別支援学級から特別支援学校への転校はできる?

転校先や教育委員会からの許可が下りれば可能

特別支援学級から特別支援学校への転校は比較的スムーズにできます。転校先や教育委員会の許可が得られれば柔軟に手続きが進められます。特別支援学級は特別支援学校と比べて専門的な支援の範囲が限られています。そのため子どもの状態によっては授業内容についていけなくなったり、担任の負担が過度に増えてしまったりするケースが少なくありません。今の環境が子どもに合っていないと感じたら無理を続ける必要はありません。子どもの成長や特性に合わせて適切な環境へ進路を見直すことは、自立を支える前向きで大切な選択肢の一つです。

特別支援学校から特別支援学級への転校は難しい

特別支援学校から特別支援学級への転校は簡単ではありません。慎重に検討する必要があります。制度上は転校が可能でも、特別支援学級は専門的なサポートの幅が狭いため、学校生活で不自由に感じることがあるからです。さらに物理的な環境の壁もあります。バリアフリー化が遅れている一般校は少なくありません。特別な医療機器が必要な場合、設備不足を理由に受け入れを断られるケースもあります。子どもの安全と学びを守るためにも、現在の充実した環境を手放すリスクを正しく理解しておきましょう。

特別支援学校か特別支援学級か迷ったときの対処法

教育委員会の就学相談に相談する

特別支援学校か特別支援学級かで迷ったときは、教育委員会の就学相談を活用しましょう。窓口では、専門員が子どもの発達検査や面談を行います。その結果をもとに、最適な就学先を一緒に考えてくれるので安心ですよ。また専門員は、地域の学校の設備やサポート体制などのリアルな情報を持っています。子どもの特性や家族の希望に寄り添いながら、客観的なアドバイスをくれます。一人で抱え込まずにプロの力を借りることが、納得のいく学校選びへの第一歩となるでしょう。

専門家の意見を聞く

就学先を決める際は、多くの専門家の意見を聞くことが大切ですよ。医師や療育施設のスタッフの方々など、様々な視点からアドバイスをもらいましょう。それぞれの専門家で、見ているポイントが異なります。医療の視点、集団行動での様子、福祉サービスの活用方法など、多角的に子どもの特性を捉えられますよ。身近なプロの意見は、教育委員会との就学相談でも強い味方になります。一人で悩まずに周囲を頼ることが、子どもにぴったりの環境を見つける近道ですよ。

見学に行ってみる

特別支援学級も特別支援学校も、実際に見学して雰囲気を確かめることが重要です。文字や書類の情報だけでは、実際の指導風景や教室の空気感までは把握できません。教員の関わり方や子どもたちの表情、安全対策などは、現地に足を運んで初めて見えてきます。さらに、実際の通学ルートを体験することで、体力的な負担も考慮できますよ。後悔のない就学先選びにするために、必ず事前の見学を行い、子どもの特性に適した環境かどうかを見極めましょう。

子どもの気持ちを確認する

可能であれば、子ども本人の気持ちも確認しましょう。まだ自分の想いを言葉にするのが難しい年齢でも、学校を見学した際の子どもの表情や、反応をよく観察してみてください。楽しそうにしているか、緊張で体が硬くなっていないかなど、本人の実感がとても大切です。周りの大人がいくら良い環境だと思っても、通うのは子ども自身ですよね。本人のここに行きたい、これが楽しそうという前向きな気持ちを引き出すことが、安心できる学校生活への一番の近道ですよ。

まとめ

子どもに合った居場所を選択しよう

特別支援学級にするか、それとも特別支援学校にするか、子どもの将来のことを考えると迷ってしまうのは当然のことです。しかし、これまで一生懸命に集めてきた情報が、これからの進路を照らす確かな道標になります。就学相談や専門家からのアドバイス、そして学校見学で見せた子どもの表情などを考慮しながらゆっくり考えてください。周りの大人が力を合わせれば、子どもが毎日笑顔で前向きに通えるぴったりの環境がきっと見つかりますよ。