ギフテッド2Eとは?特徴や活かし方を解説!【子ども・大人・診断方法】

『ギフテッド』という言葉がさまざまな作品で取り上げられることが増え、昨今では言葉を知っている人が増えているのではないでしょうか。しかし、『ギフテッド2E』という詳しい分類までは、あまり浸透していないかもしれませんね。ギフテッド2Eには、優れた才能があっても日常生活での不便な面がある、というタイプの人がいます。今回の記事ではギフテッド2Eについて意味や特性をご紹介します。加えて直面しやすい課題や活かし方も解説するので、子育てやご自身の生き方に役立ててみてくださいね。

ギフテッド2Eとは

ギフテッドと発達障害を併せ持つ人

ギフテッド2Eとは、『Twice-Exceptional』の略で、日本語では『二重に特別』という意味を持っています。具体的には、天才的なギフテッドの才能と、発達障害の特性を併せ持つ人のこと。特定の分野で驚くほど優れた能力を発揮する一方で、苦手な分野では言葉にできないほどの生きづらさを感じる傾向があります。そのため、強みと弱みがバランスをとることで目立たない場合も。周囲だけでなく、本人すらその独特な特性に気づかないことも多いと言えるでしょう。

ギフテッドの定義

ギフテッドと聞くと、単に『勉強ができる人』をイメージするかもしれませんね。しかし実際の定義は、高い知性や創造性、芸術性やリーダーシップ、あるいは特定の学問分野で突出した達成能力を示す個人を指すのです。その並外れた才能ゆえに、学校の通常授業だけでは物足りず、特別な教育支援や活動を必要としています。かつては、IQの数値だけで一律に判断されていました。そこが今では複数の評価方法を組み合わせた、包括的なアセスメントが主流になりつつあります。

発達障害の定義

そもそも発達障害とは、脳機能の発達におけるアンバランスさが原因で生じる障害のことです。よく『社会的なコミュニケーションや対人関係が苦手』だと言われますよね。周囲からは単なる『わがままな子』や『ちょっと変わった人』として片付けられてしまうケースも少なくありません。しかし、決して親のしつけや教育に問題があるわけではないのです。複数の障害が重なって現れることもあります。障害の程度や本人の発達段階によって、見せる症状が大きく変化するのも特徴と言えるでしょう。

ギフテッド2Eの特徴

ギフテッドか発達障害のどちらかのみ見つかる場合がある

2つの特性を併せ持つからこそ、どちらか一方の側面だけしか見つからないケースが多々あるのを知っていますか?たとえば、テストの点が非常に良いため、不注意さやコミュニケーションの困難さが見過ごされてしまうことがあります。その反対に、多動性や衝動性といった発達障害の行動ばかりが目立ってしまい、優れた知性や才能に誰も気づけないことがあるのです。高い能力と凸凹の特性が互いに打ち消し合い、一見すると『平均的な人』に見える場合もあるでしょう。

ギフテッドと発達障害の特性

ギフテッドの特性

ギフテッドの大きな特徴は、同世代の子どもたちと比べて著しく高い能力を発揮する点です。驚異的な記憶力や情報処理能力を持つことが多く、年齢に見合わない高い語彙力で、複雑な文章を理解する性質があることも。常に物事の本質を深く知りたがるため、時には完璧主義の傾向に悩まされることもあるでしょう。さらに、強い正義感や豊かな感受性を持ち合わせていることから、精神面が実年齢よりはるかに成熟している場合も珍しくないと言えます。

ASDの特性

対人関係における不器用さや、コミュニケーションの難しさを抱えやすいのがASDの特徴です。それだけでなく、限定された物事への圧倒的な興味や、強いこだわりを持っているのも特徴と言えるでしょう。高い記憶力や優れた規範意識を備えているため、論理的思考を組み立てることが得意なことも。理数系の学問で才能を発揮することが多い傾向です。また、いつもと同じ手順で進めるルーティンワークを好む傾向にあり、特定の環境で抜群の安定感を見せる特性があります。

ADHDの特性

ADHDには不注意や多動性、そして衝動性といった特徴が見られます。ネガティブに捉えられがちですが、裏を返せば発想力が豊かで、常に好奇心旺盛なクリエイター気質だと言えるでしょう。自分の関心がある分野に対しては強いこだわりを見せ、集中力を発揮することがあります。さらに、視覚や色彩感覚において、独特かつ豊かな感性を持ち合わせているケースが多いです。彼らの生み出す世界観に、驚かされることもありますよ。

LDの特性

LDは知的発達に遅れがないにもかかわらず『聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する』といった能力のうち、特定の分野だけが極端に苦手なことが特徴。特定の学習だけにつまずくため誤解されやすいのですが、決して本人の努力不足ではないのです。高い視覚情報の処理能力を秘めていたり、論理的思考を組み立てることが得意だったりするケースが多いです。部分的な凸凹はありますが、隠れた知的なポテンシャルは高いと言えるでしょう。

ギフテッド2Eの診断方法

WISC-Ⅳ(ウェクスラー式知能検査)

ギフテッド2Eの客観的な資質を知るうえで、世界的に広く使われているのが、子どもの知能指数を測定するためのWISC-Ⅳです。総合的なIQだけでなく、言語理解や知覚推理、ワーキングメモリーや処理速度といった4つの指標を細かく測定できる点が特徴。ただ、ギフテッドをIQテストのみで完璧に判定することは難しいでしょう。そうは言っても、世界的な信頼と実績があるからこそ、子どもの知的な才能や特性の偏りを測る、重要な1つの指標になるはずです。

QEEG検査

最近、医療の現場で注目を集めているのが、脳波を測定して脳の状態を可視化するQEEG検査です。これは脳のどの部位が平均よりも活性化しているのかを、データとして客観的に見られるのが大きな強みだと言えます。これにより、発達障害の特性や不眠、日頃のストレス状態まである程度正確に捉えることができるでしょう。医師による問診と組み合わせれば、ギフテッドや発達障害の度合いがよりクリアに診断できます。何より一人ひとりに最適な治療やサポートへと繋げられるのです。

ギフテッド2Eの人が直面しやすい課題

コミュニケーションで上手くいかない

ギフテッド2Eの人にとって、日々の人間関係やコミュニケーションは時に大きな壁となってしまう場合があります。発達障害の特性ゆえに、相手の意図を汲み取ったり、円滑なやり取りをしたりすることに難しさを感じてしまうのです。その上、ギフテッドならではの高速な思考回路が加わり、話が急に飛躍して周囲を困惑させることも。また、落ち着きがない印象を与えることもあります。大好きな自分の世界に深く没頭するあまり、いつの間にか集団から孤立して悩むケースも少なくありません。

一般的な職場で働くことが難しい

圧倒的な才能を秘めているはずのギフテッド2Eですが、その高い能力ゆえに日本の一般的な職場へ適応できず、苦しむケースがあります。たとえば、深い洞察力や強い正義感が仇となり、組織特有の理不尽な矛盾や古いしきたりがどうしても許せないという人がいるのです。また、豊かな創造性や圧倒的な行動力があるがために、既存の業務枠組みを大きく飛び越えてしまうこともあるでしょう。だからこそ、個性を多様性として受け入れてくれる職場環境であるかが重要になるのです。

大人になって精神疾患を起こす場合がある

大人になると、人間関係の複雑化や高い社会性を求められる場面が一気に増えますよね。そうした日常生活の困難さから、ギフテッド2Eの人は二次障害として精神疾患を引き起こしてしまう場合があります。自身の能力と業務内容とのミスマッチに加え、職場や周囲からの不理解が重なれば、心身ともに限界を迎えてしまうのも無理はないでしょう。しかし、早い段階で自分の特性に対する正しい対処法を身につければ、その個性をより良い方向へ存分に活かせるはずです。

ギフテッド2Eの活かし方

強みは伸ばして弱みは工夫で補う

ギフテッド2Eの子どもが持つ可能性を最大限に引き出すには、本人が夢中になれることを探究できる、快適な環境を整えることがポイント。興味を持ったジャンルの本を部屋に揃えたり、関連するイベントへ一緒に足を運んだりすることも非常に効果的でしょう。一方で、物忘れが多いならリマインダーアプリを活用する、板書が苦手ならタブレットでの写真撮影の許可を学校に求めるなどの工夫も大切。弱みをカバーする仕組み作りを、周囲の大人が先回りしてサポートしてあげることが重要です。

ありのままを肯定する

「どうして普通にできないの?」と、ギフテッド2Eの子どもが抱える苦手なことに対して、周囲が焦って責め立てるのは避けましょう。大切なのは、結果だけを求めことではありません。「よくここまで諦めずに頑張ったね」というプロセスや、「本当に面白い視点を持っているね」といった考え方を認めることが必要です。大人がプレッシャーを与えず、ありのままの姿に寄り添うことが大切。子どもは安心感を得て、やがて驚くべき力を存分に発揮していきますよ。

学校に合理的配慮を求める

家庭の中だけでギフテッド2Eの子どもを支えようとするのは、どうしても限界があります。だからこそ、学校側と積極的に連携を図り、状況に応じた『合理的配慮』を求めていくことが良いでしょう。たとえば感覚過敏があるなら、刺激の少ない座席に調整してもらうなどです。さらに、パニック時には安心できる別室へ移動できるよう、事前準備をお願いしておくのも効果的でしょう。担任の先生はもちろん、スクールカウンセラーにも相談して、チームで個性を支える姿勢が大切ですね。

大人になったら自己分析をしっかりする

大人として社会を生きるためには、自分自身の特性を客観的かつ深く理解することが何よりも必要不可欠です。まずは強みと弱みを徹底的に分析することが大切。自分の得意が活きるような職場を戦略的に選ぶことが、成功への鍵となるでしょう。タスク管理ツールで抜け漏れを防いだり、ノイズキャンセリングイヤホンで集中できる環境を作ったりする工夫が欠かせません。信頼できる上司や同僚へ事前に特性を伝えておけば、周囲の協力も得やすくなり、働きやすくなるでしょう。

まとめ

ギフテッド2Eを理解して強みを活かそう

いかがでしたか?今回の記事ではギフテッド2Eを取り上げ、ギフテッドと発達障害の2つの側面から定義や特性をご紹介しました。また、ギフテッド2Eの人が直面しやすい課題や活かし方について触れたため、理解が深まったのではないでしょうか。診断を受けることは大切ですが、その有無に関わらず、子ども一人ひとりの個性と向き合うことは重要です。ギフテッド2Eというものがあることを理解し、強みを活かすことにぜひ役立ててくださいね。