【療育手帳】B1とB2の違いは?受けられる支援と働き方【割引・メリット・手当・割引・子供・何級】

療育手帳の申請時や判定結果を受け取った際、「B1とB2の違いがわからない」と悩む方は少なくありません。判定区分による手当や割引の差、生活面でのサポート範囲に不安を感じることも多いでしょう。療育手帳の判定基準や受けられる制度は自治体で異なりますが、違いを正確に整理することで適切な支援へ繋がります。本記事では、B1(中度)とB2(軽度)の違いを中心に、実際の事例を踏まえながら申請手順や就労支援まで分かりやすく詳しく解説します。

Table of Contents

療育手帳とは?

知的障害者の生活や就労を支える公的制度

療育手帳は、知的障害のある方がさまざまな支援をスムーズに受けるための障害者手帳です。児童相談所などの専門機関で判定を受けた方に自治体から交付されます。手帳を取得すると、所得税や住民税の控除をはじめ、医療費の助成や公共交通機関の運賃割引など多くの経済的支援を受けられますよ。さらに、障害者雇用枠での就職や福祉サービスの利用が可能となり、ご本人やご家族皆様の自立と社会参加を多角的に支える重要な公的制度です。療育手帳については以下の記事も参考にしてみてくださいね。

療育手帳と他の手帳との違い

身体・精神障害者手帳と対象障害の種類が異なる

障害者手帳には3つの種類があり、療育手帳は『知的障害』がある方を対象としています。視覚や聴覚、手足の不自由などを対象とする『身体障害者手帳』とは対象障害が異なります。また、うつ病や知的な遅れを伴わない発達障害などを対象とする『精神障害者保健福祉手帳』とも区別されますよ。手帳ごとに申請窓口や判定の基準、受けられる支援内容が細かく設定されています。そのため、個人の状態や重複障害の有無に合わせて適切に選択する必要があるでしょう。

療育手帳B1とB2の定義

B1はIQ36〜50・B2はIQ51〜75が目安

厚生労働省のガイドラインでは、知的障害の程度を段階的に分類しています。B1(中度)はIQ36〜50程度、B2(軽度)はIQ51〜75程度が一般的な判定目安となります。数値は知能検査の結果に基づきますが、実際の判定では日常生活での社会適応能力も総合的に考慮されます。詳しい手帳制度の基準は厚生労働省『療育手帳制度の概要』で公表されていますよ。「我が子はどちらに該当するのかな」と迷う場合は公的基準を一度確認してみましょう。

出典:厚生労働省『療育手帳制度の概要』

B1(中度)は身の回りや外出に手助けが必要

B1(中度)判定の方は、食事や着替えなどの基本動作は自分で行える場合もあります。しかし「一人で買い物や目的地まで外出するのが難しい」など、日常生活の多くの場面で手助けが必要です。言葉での複雑な指示を理解することが苦手な傾向もあり、危険の回避や金銭の管理にも見守りが必要となります。学校生活や社会生活を安心して送るためには、周囲による継続的で丁寧なサポートや配慮の環境作りが欠かせない状態と言えるでしょう。

B2(軽度)は日常は自立も複雑な対応が苦手

B2(軽度)判定の方は、身の回りの世話や日常会話を一人でこなせる方が多いです。そのため一見すると障害があると周囲に気づかれにくい大きな特徴があります。しかし「契約手続きや金銭管理などの複雑な課題に対応できない」「急な予定変更でパニックになる」といった困りごとを抱えています。周囲から「怠けているだけだ」と誤解されやすく、見た目と実際の生きづらさとのギャップから大きな精神的負担を感じやすい側面もあるでしょう。

療育手帳B1とB2の判定基準の違い

IQ検査と生活適応能力の総合評価で決定する

療育手帳の等級判定は、WISCなどの知能検査で計測するIQ(知能指数)の数値だけでは決まりません。判定機関では専門家による詳しい面談を行い、食事や着替えといった身の回りの自立度や、対人コミュニケーションなどの日常生活における適応能力を総合的に評価します。そのため、IQが境界値であっても日常生活の困難さが著しい場合には、より支援が必要な重い方の等級に認定されることも。このように、本人の生活実態に即した多角的で柔軟な判定が行われます。

自治体によりA・B区分や名称・基準が異なる

療育手帳は都道府県や政令指定都市が発行・運用を担当しているため、自治体ごとに等級区分や名称が異なります。多くの自治体では『A(重度)』と『B(中軽度)』に分け、さらにBをB1とB2に細分化しています。しかし東京都の『愛の手帳』のように1度〜4度の4段階に区分する地域もあります。お住まいの地域の詳しい基準は、各自治体発行の福祉ガイド等(例:東京都『愛の手帳について』)で事前に確認することが可能ですよ。

出典元:東京都福祉局『判定について(愛の手帳Q&A)』

療育手帳B1とB2で使える支援・手当の違い

どちらも施設割引や障害福祉サービスが利用可能

療育手帳を取得すると、判定がB1とB2のどちらであっても手厚い公的サービスを毎日の生活の中で幅広く利用できます。美術館やテーマパークなどの各種レジャー施設における入場料割引制度のほか、所得税や住民税の障害者控除による節税効果が得られます。さらに放課後等デイサービスや就労支援といった各種障害福祉サービスも活用できますよ。子どもの発達支援や大人になってからの社会参加に向けた大きなサポートとなるでしょう。

B1は介護者も半額・B2は本人のみ割引など制限がある

各種交通機関の割引制度では、B1(第1種相当)とB2(第2種相当)で受けられる優遇内容に明確な差があります。JRなどの鉄道運賃において、B1は本人と介護者の両方が半額となります。一方、B2は本人のみが割引対象となり、片道の乗車距離が100kmを超える利用時に限られるなどの制限が設けられています。高速道路などの有料道路の通行料金割引や路線バスの運賃等でも同様に、介護者同乗時における割引の適用範囲が大きく異なりますよ。

B1は手当や税金控除でより優遇されやすい

手当や税制面では、障害の程度が重いB1の方がより手厚い支援を受けられるケースが多いです。税金の障害者控除では、B1が控除額の大きい特別障害者に該当する場合があります。また、障害のある児童を養育する家庭向けの特別児童扶養手当においても、B1は支給対象になりやすい傾向があります。ただし、各種手当や障害年金の認定は手帳の等級とは別基準で詳しい審査が行われるため、B2であっても受給できる可能性は十分あるでしょう。

出典元:国税庁『障害者控除』

療育手帳B1・B2の申請の流れ

市区町村の障害福祉窓口で書類を提出する

療育手帳の申請手続きは、まずお住まいの市区町村にある障害福祉の専用窓口で開始します。窓口で交付申請書を入手し、必要事項を正確に記入のうえ、ご本人の顔写真やマイナンバー確認書類、本人確認書類等を添えて提出します。対象者が18歳未満の場合は保護者が代理で申請を行うケースが一般的ですよ。書類提出時には、その後の専門機関における判定予約の案内を受けます。あわせて具体的な面談日程などの調整を行う流れとなります。

児童相談所等での面談・検査を経て1〜2ヶ月で交付

書類提出後、18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所などの専門機関で判定を受けます。専門の判定員による丁寧な心理検査(IQ測定)や日常の生活状況についての聞き取り調査が行われ、障害の程度(B1またはB2など)が審査決定されます。後日、判定結果に基づいてお住まいの自治体で手帳の発行手続きが進められますよ。判定終了から実際に手帳が手元に交付されるまでの期間は、おおむね1〜2ヶ月程度となるでしょう。

療育手帳B1・B2を取得するメリット

経済的負担の軽減や手厚いサポートが得られる

療育手帳を取得する最大のメリットは、生活面や金銭面における手厚い各種支援を受けられる点です。税金面の障害者控除をはじめ、電車やバスなどの公共交通機関の運賃割引、各種レジャー施設の入場料減免といった経済的負担の軽減措置が適用されます。また、放課後等デイサービスや就労継続支援などの各種福祉サービスを利用しやすくなるでしょう。専門的なケアをスムーズに受けられる点も、ご本人やご家族にとって大変大きな利点と言えますよ。

療育手帳B1・B2を取得するデメリット

数年ごとの更新手続きや心理的葛藤が生じる

療育手帳を取得するデメリットとしては、手続き上の負担や精神的なハードルが挙げられます。成長や状態の変化を確認するため数年ごとに再判定手続きを受ける必要があり、そのたびに検査や面談を行わなければなりません。また、子どもに『障害者のラベル』が付くことへの強い不安や抵抗感から、保護者が申請時に大きな心理的葛藤を抱えるケースも少なくありません。そのため、取得のタイミングについては慎重な検討が必要となるでしょう。

療育手帳B1・B2保持者の働き方と向いている仕事

合理的配慮が受けられる障害者雇用や特例子会社

療育手帳を所有していると、民間企業や自治体における障害者雇用枠での応募が可能となります。障害者雇用では、勤務時間の調整や業務内容の見直しなど、個々の特性に応じた合理的配慮を受けながら働ける点が大きなメリットです。また、障害者雇用の促進を目的として設立された特例子会社への就職も選択肢となります。特例子会社では障害への理解が深い指導員や支援スタッフが配置されており、手厚いサポートのもとで安心して長期就労を目指せるでしょう。

就労支援(移行支援・継続支援)の活用

一般企業への就職を目指す際や、段階を追って働く経験を積みたい場合には、各種就労支援サービスの活用が大変有効と言えます。一般企業への就職を目指して必要な実務訓練や就職活動のサポートを受ける就労移行支援をはじめ、障害や体調に合わせて働く就労継続支援(A型・B型)などがあります。ご自身の体調やペース、作業適性に合わせて最適な事業所を選択することで、無理なくスキルアップや社会参加を図ることができますよ。以下の記事も参考にしてみてくださいね。

マニュアル化された軽作業や清掃・裏方業務

療育手帳B1・B2を保持している方に適した職種としては、作業手順が明確に定められている業務が挙げられます。具体的には、商品のピッキングや梱包を行う倉庫内の軽作業、オフィスや公共施設の清掃業務、接客の少ないデータ入力などの裏方業務が代表的と言えます。こうしたマニュアル化された業務は、一度正しい手順を覚えればご自身のペースで集中して取り組みやすく、個々の適性を活かして末永く安定して働きやすい環境と言えますよ。

まとめ

療育手帳B1とB2の違いを理解して支援を活用しよう

療育手帳の判定区分であるB1(中度)とB2(軽度)は、知的障害の程度や日常の自立度に基づいて決定されます。区分に応じて受けられる税金控除や交通機関の割引、利用できる手当や福祉サービスなどの支援内容には違いが生じます。手帳を取得することで、個人の特性に応じたサポートを受けながら自分らしく暮らせる環境を整えられます。B1とB2それぞれの判定基準や利用可能な制度を正しく理解し、生活や就労の場で適切な支援制度を積極的に活用していきましょう。