埼玉県上尾市にある放課後等児童デイサービスバナナキッズは、特別支援学校に在籍する子どもたちを対象に、放課後や長期休業中の支援を行っている施設です。1995年に保護者の声をきっかけに障害児学童保育室として活動を開始。2014年のNPO法人化を経て、2016年より放課後等児童デイサービスとして運営しています。子ども一人ひとりが安心して過ごせる環境づくりを基盤に、遊びや体験活動を通して豊かな放課後の時間を支えています。本記事では、施設立ち上げの背景や支援理念、日々の活動内容について紹介します。
施設立ち上げのきっかけ

1995年8月、上尾特別支援学校に通う子どもたちの保護者から上がった「障がい児学童がほしい」という声が活動の出発点となりました。当時、放課後や長期休業中に安心して過ごせる場は十分とはいえず、継続して通える居場所の必要性が共有されていた状況。そうした中、11人の父母と1人の指導員が中心となり、借家探しや資金づくりに着手しました。地域のバザーなどに参加しながら準備を重ね、障害児学童保育室として開所。保護者の主体的な動きから始まった取り組みは、その後法人化を経て、現在の放課後等児童デイサービスへと運営形態を移しています。
大切にしている支援理念
子どもたちの放課後や長期休業中に、一人ひとりが安心して過ごせる場所を確保すること。豊かな生活づくりを進め、友達とともに活動する時間を積み重ねていくこと。それが掲げている支援の基盤です。日々の保育では、自然素材を使った製作、新聞紙や段ボールなど身近な素材を活用した遊びを取り入れています。五感を使う体験を通して、子どもの興味や関心を広げる取り組み。体調や心身の状態にも目を向けながら、その日の様子に応じた関わりを行い、安心して過ごせる環境を整えています。継続的な関わりの中で、日常の時間を支える姿勢です。
日々の活動内容と過ごし方

平日は学校終了後から17時15分まで、長期休業中などの一日保育では10時から16時30分まで支援を行っています。到着後は荷物の整理や身支度を整え、落ち着いた環境の中で活動へと移ります。室内では製作活動や身体を動かす遊びを取り入れ、友達との関わりの中で順番やルールを意識する場面を設定。集団で過ごす時間と個々のペースを尊重する時間、その両立を図っています。一日保育では生活リズムを意識し、活動と休息の時間を区切った構成。子ども一人ひとりの体調や様子を確認しながら、その日の状況に応じて内容を調整しています。
自然や地域との関わりを通した体験
散歩や公園での外遊びなど、屋外での活動を日常の中に取り入れています。外に出て身体を動かす時間を確保しながら、自然に触れる機会を継続的に設定。年間行事としては、新年会や凧あげ、書初め、豆まき、ひな祭り、七夕、クリスマスなど、季節に応じた取り組みを行っています。時期ごとの行事を通して、季節の移ろいを感じられる構成。また、公園や水族館、地域施設への外出も実施し、公共の場での過ごし方や集団行動を経験する機会を設けています。日常の活動に加え、地域との接点を持ちながら体験の幅を広げています。
異年齢で育ち合う環境づくり

小学部から高等部までの子どもたちが、同じ空間で日々を過ごしています。年齢や学年の異なる子ども同士が関わることで、年上が年下を気にかける場面や、年下が年上の姿を手本にする関係性が生まれる環境。遊びや日常のやり取りの中には、順番を待つことや相手の気持ちを考える場面が自然に含まれています。発達段階の違いに配慮しながら活動内容を調整し、それぞれが無理なく参加できる体制を整備。異年齢集団で過ごす日常の積み重ねが、役割意識や他者への配慮につながる基盤となっています。
保護者との連携と支援体制
日々の支援は、保護者との情報共有を元に進められています。活動終了後にはその日の様子を伝える時間を設け、家庭での変化や気づきとあわせて確認。小さな変化を継続的に共有することで、子どもの状況を多角的に把握する体制を整えています。保護者同士が交流できる機会も設けられており、情報交換や相談の場として活用されています。また、総会などを通して運営方針を確認する仕組みも整備。子どもへの支援と並行し、保護者が継続して関われる環境づくりが進められています。
子どもたちの安心できる居場所として
1995年の開所以来、放課後や長期休業中に継続して通える居場所として運営が続けられてきました。保護者の声から始まった取り組みは、法人化を経て現在の体制へとつながっています。日々の活動では、生活の流れを整えながら室内外での遊びや地域との関わりを取り入れ、多様な経験を重ねる機会を設けています。小学部から高等部までの子どもたちがともに過ごす環境の中で、それぞれの状況に応じた支援を実施。保護者や地域との連携を基盤に、安心して過ごせる時間を支える体制が築かれています。

