皆さんは、子どものウソに困ったことはありませんか?子どもは、自分を守りたいときや自分の願望を叶えたいときなど、様々な場面でウソをつくことがあります。そこで今回の記事では、子どもがウソをつく理由やウソを見分ける方法を詳しく解説していきます。「子どものウソが多くて困る」「どうしたらウソを見分けられるのかな?」と、悩みや疑問をお持ちの方は、ぜひこの記事を読んで参考にしてみてくださいね。
子どもは何歳頃からウソをつき始めるのか?
子どもによっては2歳頃から
子どもによっては、早い子で2歳頃からウソをつき始めます。これは、言葉や認知能力が発達し、相手の気持ちや状況を考える力が育ってきている証拠でもあります。例えば、親に怒られるのを避けようとして「やっていない」と言ったり、注目を引きたいがために「こんなことがあった」と話を作ったりすることがあります。ウソをつく行動自体は発達の一過程ですが、その背景には子どもなりの理由や気持ちがあることを理解することが大切ですね。
参考:https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000121167.html
子どもがウソをつく理由
願望を叶えてもらえないから
子どもがウソをつく1つ目の理由は、願望を叶えてもらえないからです。例えば、欲しいおもちゃを手に入れたい、もっと遊びたい、おやつをたくさん食べたいなど、子どもは日頃から様々な願望を抱いています。しかし、保護者や周囲の状況によっては、これらの願望が全て叶うとは限りません。そのため、子どもは自分の気持ちを優先してどうしても願望を叶えたいときにウソをつき、願望を叶えようとするのです。例えば「宿題は終わった」とウソをついて遊びたいという気持ちを優先させたり、「お腹が痛い」とウソをついて保護者に甘えたいという気持ちを表現したりします。
現実と空想の区別がつきにくい年齢だから
子どもがウソをつく2つ目の理由は、現実と空想の区別がつきにくい年齢だからです。特に幼児期の子どもは豊かな想像力を持っており、自分の願望や空想を現実と混同してしまうことがありますよ。例えば、お人形さんと遊んだことを話す際に、実際にお人形さんで遊んだ内容と、遊びながら想像した内容を結びつけ、あたかも全て現実で起きた出来事のように話すことがあります。これは、子どもがまだ現実と空想を明確に分けて捉えることが難しいために起こる現象です。また、子どもは大人と比べて物事を論理的に考える力が未発達です。そのため、自分が経験したことを誇張したり、都合の良いように記憶を改変したりすることもあります。
自分自身を守るため
子どもがウソをつく3つ目の理由は、自分自身を守るためです。これは、子どもが置かれている状況や、その子が抱えている不安や恐怖心と深く結びついています。何か悪いことをしてしまったときに叱られたくない一心でウソをついたり、失敗したり恥ずかしい思いをしたくないがためにウソをついたりします。例えば、宿題をしていないことを隠したいときや、テストの点数が悪かったことを隠したいときなどが、ウソをつきたくなる場面になりやすいですよ。
子どもがウソをつくのは大人にも原因がある
コミュニケーション不足
子どもがウソをつくのは、大人にも原因があります。その原因の1つに、子どもとのコミュニケーション不足が挙げられます。発語がまだ未発達で喋り始めたばかりの子どもは、思っていることを伝えるまでに時間がかかります。大人が時間に追われている場面では、ゆっくり話す子どもの言葉にじっくり耳を傾ける対応は簡単ではありません。せっかくの子どもの発言を遮ってしまうこともあるでしょう。すると「素直に伝えようとしても大人は聞いてくれない」と学習してしまい、大人との会話を楽しいと思えなくなってしまいます。その結果、子どもは自分の素直な気持ちを伝える代わりに、自己表現としてウソをついて大人に注目してもらおうとするのです。これは、コミュニケーション能力の低下にもつながる可能性があるため、注意が必要ですよ。
他の子と比較している
子どもに対して周りの大人が他の子どもと比較ばかりしていると、ウソをつきやすくなってしまいます。例えば「あの子はこんなにできるのに、どうしてあなたはできないの?」といった比較する言葉は、子どもに大きなプレッシャーを与えて自己肯定感を下げてしまいます。その結果、子どもは大人の期待に応えようとするあまり、ウソをついたり、本当の実力よりも良く見せようとしたりするのです。子どもは、大人から認められたい、褒められたいという欲求が強いです。そのため、誰かと比較されて劣等感を感じてしまうと、劣等感を隠すためにウソをつくことがありますよ。
子どもを褒めていない
普段から子どもをあまり褒めていないことも、子どもがウソをつく原因になってしまいます。上記でも説明した通り、子どもは大人から認められたい、褒められたいという欲求が強いです。そのような欲求が満たされずに欲求不満が続くと、子どもは自分のことが認められず、ウソをついてでも自己肯定感を高めようとします。例えば、テストで高得点を取っても「へぇ」としか言われないと、子どもは褒めてもらいたい一心で、次回からテストの点数を事実よりも高く言ってしまうかもしれません。大人からすると大したことない出来事でも、子どもにとってはとても大変で難しいことなのです。日常生活での小さな成功も、その都度褒めてあげるようにしましょう。
子どものウソに厳しく叱りすぎている
子どものウソを厳しく叱りすぎていると、逆にウソが増えてしまうこともあります。なぜなら、厳しく叱られることを恐れた子どもは自分の過ちを認められず、それを隠すためにさらに巧妙なウソをつくようになるからです。また、大人との信頼関係が崩れ、本音を打ち明けられなくなることで、ウソをつくことが習慣化してしまうこともありますよ。子どもがウソをついた時は、なぜウソをついたのか、その背景にある気持ちを理解しようと努めて温かく接することが大切です。例えば、ウソをついてでも褒めてもらいたい!という子どもの場合は、苦手なことを無理にやらせるのではなく、得意なことを伸ばして成功体験を増やしながら思う存分褒めてあげましょう。
子どものウソを褒めてしまっている
子どものウソに気付かずに褒めてしまっていることも、ウソをつきやすくなる原因の1つです。ウソの出来事や自慢で褒めると子どもは調子に乗ってウソを頻繁につくようになります。例えば、子どもがおやつを早く食べたいからと「手を洗った」とウソをつくことがあります。それを信じておやつを与えてしまうと、「手を洗わなくてもバレない」と学習してしまうかもしれません。見分け方は難しいですが、なるべくウソがわかった時にはきちんと叱るようにしましょう。例えば「ウソをついたらおかしを食べられないよ」と叱ってもいいでしょう。
子どものウソの見分け方
目をそらしながら話す
子どもはウソをつく際に、目をそらしながら話すことがあります。普段は堂々と話せる子どもでも、ウソをつく時は視線を避けたり、あちこちに目線をやったりする傾向がありますよ。これは、ウソをつくことに心苦しさを感じていたり、バレることに恐怖心を抱いていたりするためです。こうした心理的に不安定な状態を示すこともあります。ただし、必ずしも子どもの目線そらしがウソをついているときの状態であるとは限りません。緊張している時や聞かれた質問への回答に困っている時など、様々な理由で視線をそらすことがあります。子どものウソを見分けるためにも、普段から目を見て会話するように心がけましょう。
ソワソワしている
子どもはウソをつく際に、ソワソワすることが多いです。普段は落ち着いている子でも、ウソをつく時はソワソワしたり落ち着かない様子を見せたりすることがあります。これは、ウソをつくことへの心苦しさや、早くその場から逃げ出したいといった心理的な不安が原因で発生していることを示しています。そのため、子どもの挙動や表情の変化を注意深く観察することが大切ですよ。ただし、ソワソワしたり落ち着かない様子を見せたりしたときは問い詰めるのではなく、安心できる環境で本音を引き出す工夫をしましょう。
髪の毛や服をいじる
子どもはウソをつく際に、髪の毛や服をいじることがあります。普段は落ち着いている子でも、ウソをつく時は無意識に髪の毛を触ったり、服のタグをいじったりする傾向があります。これは「ウソだとバレたら叱られるかも」という不安や緊張から、何かを触って緊張を和らげようとしているときによくある行動です。こうした仕草に気づいたら、叱る前に子どもの気持ちに寄り添い、安心感を与えることが重要ですよ。優しく話を聞き出し、ウソをついた理由を理解しながら適切に対応しましょう。
黙り込んでいる
ウソをついている子どもは、急に黙り込むことがあります。普段は積極的に会話する子どもでも、ウソをつく時は言葉が少なくなったり具体的な答えを避けたりする傾向があります。これは、ウソをついたことで考えが混乱している場合や、真実を話すべきか迷っている心理状態を示しています。このとき、ついてしまったウソを責めるのではなく正直に話すことの大切さを教えることで、子どもは次第に心を開き、自分の気持ちを伝えやすくなりますよ。
話をそらす
ウソをついている子どもは、話をそらして誤魔化そうとすることがあります。質問から話題をそらしたり、別のことに気を向けさせようとしたり、わざと曖昧な表現を使ったりするなど、様々な方法で話をそらそうとします。こうした行動は主に、「ウソがバレたくない」という不安な気持ちが原因となって発生しています。子どもが話題をそらそうとしていると感じたときは、無理に話を戻さず、まずはその態度の裏にある不安や本音を理解することが大切です。例えば「何か困っていることがある?」と優しく声をかけることで、子どもは安心して本音を話しやすくなりますよ。
ウソは成長の証でもある?
ウソをつくときは脳が活性化している
子どものウソは成長の証でもあります。なぜなら、ウソをつくときは脳が活性化しているからです。ウソをつくためには、どうしたら相手にバレないウソをつけるだろう?と、頭の中で試行錯誤する必要がありますよね。また、現実と異なる情報を作り出して、それを相手に伝えるという複雑な思考が必要です。この過程で記憶力や創造力、言語能力など様々な脳機能が刺激されて発達が促されています。もちろん、ウソをつくことは良いことばかりではありません。しかし、子どものウソを単純に否定するのではなく、その背景にある脳の発達を理解して適切な声かけをすることが大切です。
子どものウソは発達障がいの可能性もある?
考えを言語化することが極端に苦手なとき
子どものウソは発達段階のひとつの表現であり、必ずしも問題のある行動ではありません。しかし、考えを言葉でうまく表現できなかったりコミュニケーションが苦手だったりした場合は、発達障害の可能性も考えられます。例えば自閉スペクトラム症の子どもは、ウソをつくと言うよりも、現実と想像の区別がつきにくく、作り話をしてしまうことがあります。また、ADHDの子どもは衝動的に行動して、その場をしのぐためにウソをつくことがありますよ。もし、子どもが頻繁にウソをつき、言葉でのコミュニケーションに困難を感じているようであれば、専門の支援センターや医療施設への相談をおすすめします。
気になる場合は早めに医療施設を受診しよう
子どものウソが頻繁で発達に心配がある場合は、早めに医療施設を受診しましょう。もし、専門の医療施設への受診に抵抗がある場合は、医療施設だけでなく以下のような施設へ相談するのもおすすめです。
・家庭児童相談室
・児童相談所
・保健センター
・発達障害者支援センター
・療育センター
こうした支援センターなどを頼ることで、子どもに寄り添った適切なサポートに繋げることができますよ。子どもの健やかな成長のためにも、できるだけ早期に対応していきましょう。
まとめ
子どものウソには適切な対応をしましょう!
いかがでしたか。今回は、子どものウソについてまとめてみました。必ずしも子どもは悪気があってウソをつくわけではありません。自分の身を守るためや、欲求不満によりウソをついてでも褒めてもらいために、悪いことをしている自覚なくウソをつくことがあるのです。ウソをつくことは脳が活性化されるため成長の証でもありますが、クセになってしまうと将来困ってしまうかもしれませんね。この記事の内容を参考にして、子どものウソに対して適切に対応をしていきましょう!