2歳になると、自分の言葉で少しずつ伝えることができたり、走って遊んだりするなど、さまざまな行動ができるようになるでしょう。自我の芽生えや心身の発達などが見え始める時期です。その中で、他の子供と遊んでいる様子を見て”成長が遅れている””他の子と比べて言葉を話さない”と不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、2歳児の発達の目安や発達障害のチェックリスト、早期療育についてご紹介します。また、グレーゾーンについても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
発達障害かも?気になるサイン
発語が遅く意思疎通が図れない
・発語の遅れ
2歳になると「ニャンニャン」「ワンワン」などの2語文を話すようになる子供が多いです。発達障害の特性を持つ子は、言葉を話さなかったり、言われたことをそのまま繰り返すことがあります。
・泣き方が激しく、泣き止まない
”コミュニケーションがうまく取れない””言葉でうまく伝えることができない”などの理由から、激しく泣いてしまい、泣き止まないことがあります。癇癪を激しく起こしてしまうことも、あるでしょう。
特定のものに対するこだわりが強い
・特定のものへのこだわり
規則性のある数字や、ルールなどをしっかり守った行動をするなど特定のものへのこだわりが強い傾向が見られます。一度覚えた手順に沿った行動や覚えることは得意ですが、臨機応変な対応は苦手です。
・偏食が強い
こだわりの強さや感覚過敏から、変色が強く、味やにおいに敏感です。こだわる部分は、”色や食感に強くこだわりがある””一般的な味付けを受け付けない”など、ひとりひとり異なります。
人見知りをしない
・人見知りをしない
他人への興味関心が薄く、人見知りをしないことが多いでしょう。そのため、誰にでも話しかけたり、保護者がいなくても平気です。また、一人で遊ぶことも多く見られます。他の子供達と一緒に遊ぼうとせず、マイペースにひとりで走る様子が見れるでしょう。
・目が合わない
周囲への関心が薄いため、相手の顔や表情に興味がない様子がみれるでしょう。家族の顔を覚えて区別する”認知の発達の遅れ”から、目が合わないことがあります。
2歳は発達障害の特徴が見え始める時期
”話す””歩く”など周囲との違いが出てくる
2歳頃になると、話すことや歩くことができるようになり、身体機能が発達してくることが特徴的です。また、赤ちゃんの頃に比べて、母音や子音を発音できるようになり、発話が増えてくるでしょう。自分の意思や要求を言葉で伝えるようになってきまよね。コミュニケーションが取れなかったり、指差しすることがないといった、周囲と異なる行動が目立ってくる時期です。あくまで、発達には個人差があるため、目安として考え医師や保育士に相談することが大切です。
2歳児の発達の目安や特徴
発達の特徴:自我や好奇心が強くなる
2歳児の発達の特徴として、自尊心が育ち、自我や好奇心が強くなってきます。1歳の頃と比べて成長が進み、性格や周囲の人との関わりが大きく異なります。
自分でやりたい気持ちが強くなり、言葉や動作で表現するようになるでしょう。大人が全てやってあげるのではなく、子供に進んでやらせ自己肯定感を育てることが大切です。その中でも、ダメなことはしっかりと注意を行うことで成長につながります。
言葉の発達:簡単な指示を理解できる
言葉においては、「ブーブー 好き」「にゃんにゃん いる」など2つの言葉を使う二言語文を話せるようになってきます。2歳児の言葉の発達は、個人差が出やすく、今まで喋らなかった子供が急に喋り出すことも少なくないでしょう。
大人の言うことを理解し、言葉を使うことが楽しいと感じるようになってきます。身近な大人や子供とのやりとりも増えてくるため、多少の言葉遅れは気にせずに、積極的にコミュニケーションをとることが大切です。
身体の発達:行動範囲は大きく広がる
歩いたり、走ったり、跳ねたり基本的な動作ができるようになることで、子供の行動範囲は大きく広がります。
指先の機能も発達するため、道具を使った遊びできるようになってくるでしょう。積み木や粘土など、細かな機能を学ぶことができる遊びを取り入れることをお勧めします。子供が楽しみながら運動能力を鍛えることができるでしょう。
発達障害の種類と各チェックリスト
ASD(自閉スペクトラム症)
ASD(自閉症スペクトラム症)とは、発達障害の1つであり、強いこだわりを持つことが特徴です。また、人への関心が極端に弱く、周囲との関わりやコミュニケーションが苦手です。2歳になると、できることが増え興味関心が広がる時期ですよね。ASD(自閉症スペクトラム症)の場合、大人の意識を引くための、”指差し”や”表情を見る”といった行動が見られないことがあるでしょう。また、睡眠が浅く、夜泣きが続くといった睡眠障害が出ることも少なくありません。
2歳児のASDチェックリスト
手をひらひらと動かしたり、同じ場所を繰り返しぐるぐると回るといった偏った行動をするのが常同行動です。言葉の発達遅れでは、2歳児の二語文や簡単な受け答えができず、明らかに遅れがある場合は、ASDの可能性があるでしょう。
ADHD(注意欠陥/多動性障がい)
ADHD(注意欠陥/多動性障がい)生まれながらに脳機能の発達に遅れや偏りがあり、発達障害のひとつです。主な特徴は、不注意、多動性、衝動性の3つであり、気が散りやすかったり、無くしものが多い特性が見られます。学習や対人関係、社会生活に困難を抱えることも少なくないでしょう。2歳から、注意欠陥や多動の症状がはっきり出だし、7歳ごろに診断されることが多いです。思春期や成長するにつれて、症状が落ち着いてくることもあります。
2歳児のADHDチェックリスト
ADHD(注意欠陥/多動性障がい)の特性は、2歳児の子供の成長段階と似ている部分があるため判断が難しいです。その中でも、チェックリストに見られる行動は、ADHDの持つ特性を十分に表していると言えるでしょう。
LD(学習障がい)
LD(学習障がい)は、全般的な知的発達に遅れは見られません。ですが、特定のものの習得や使用に困難を示すことが多いでしょう。LD(学習障がい)には、読む、書く、算数の3つのタイプがあります。
LDは知的能力に問題が見れれないことも少なくないため、判断が難しい発達障害のひとつです。
2歳児のLDチェックリスト
2歳では、LDの特性が見られることはほとんどありません。読み書きや計算などは2歳で取り組むことは少なく、しっかりと学習に入るまで発達状況がわからないことが多いです。
8歳前後の年齢で特性が見られることが多いため、成長状況に応じてチェックリストを活用しましょう。
発達障害のグレーゾーンとは
特性はあるが診断の基準に満たない状態
グレーゾーンとは、医学的な診断名ではなく、”発達障害の特性は見られるが、診断の基準には満たさない”状態です。診断基準に満たさない状態を指すため、グレーゾーン特有の症状や特徴はありませんが、それぞれの発達障害や学習障害の特性の一部が見られることがあるでしょう。
発達障害グレーゾーンの特徴
グレーゾーンでは、それぞれの発達障害における症状や特性の一部が見られます。
あくまでも、これらは発達障害や学習障害の特徴の一部です。
早期療育のメリット
1. 子供と保護者のストレス緩和
早期療育を行うメリットとして、子供と保護者が日常的なやりとりがスムーズになることでストレスが軽減させることができます。発達障害のある子供に対しての手法やアプローチの仕方などを知ることができると、特性と理解して接することができるでしょう。また、子供においても怒られ叱られるストレスは大きく、劣等感につながることもあります。早期療育として、一緒に発達障害の知識を学び理解していくことで、ストレスの緩和につなげることができます。
2. 子供の二次障害を防ぐ
発達障害においての二次障害とは、日常生活の困難さや友達関係の困難さです。友達関係をうまく築くことができないことから、不登校や引きこもりへとつながることもあるでしょう。早期療育の中には、社会生活を送る際に必要となるスキルをトレーニングするものがあります。「無視をした」、「約束を破った」など些細なことから、トラブルに発展することもありますよね。早期療育では、挨拶の練習や自己紹介など、簡単なところから練習をし、友達間のトラブルを減らすことを目指します。
まとめ
チェックリストを活用して子供の特性を知ろう
発達障害は、生まれつき脳の働きに差があり、発達に特徴が出てくることです。2歳になると、できることが増え、周囲と比べてしまうことも多いでしょう。チェックリストを活用して、気になることがあれば専門家に相談することをおすすめします。また、発達障害と診断されても早期療育を受けることで、理解を深め接し方を学ぶことができます。発達障害やグレーゾーンの子供は、あくまで特性を持つ個性の1つであると考え一緒に成長していくことが大切です。