「運動保育士?なにそれ?」
「運動保育士?なにそれ?」そう思った人、多いんじゃないでしょうか?
でも、なんとなくイメージは湧きますよね。
幼稚園や一部の保育園などで「運動」に重点を置いた設定保育や授業を行っている施設はたくさんあります。そういったシーンで活躍するための資格を持った保育士というわけです。
最近、人気や需要が高まってきている「運動保育士」について徹底調査しました!
そもそも運動保育士とは
運動保育士は、国家資格ではなく民間資格です。
NPO法人・運動保育士会が主催する「運動保育士会こどもプラス」の講座を受講することで認定されるそうです。その方法は後でご紹介しますが、まずは運動保育士の基本情報から…
運動保育士は「保育と運動」のプロフェッショナルです。
身体を動かすことで子どもの運動能力を向上させると同時に、脳の活性化をも図ることを目的とした柳沢運動プログラム。
このプログラムは、元体育教師であり運動学の専門家である柳沢秋孝教授が、運動と脳科学に着目して編み出したプログラムです。
柳沢教授の講演会の記事を読んでみたところ、専門的な話は難しくて分かりませんでしたが(スイマセン!)、運動保育士会のホームページによると、
「運動あそびを通して幼児の好奇心や、やる気、達成感、自信、集中力を育むこと」
と説明されています。運動を通して心身ともに健やかに育つための保育を行なうプロとして登場したのが「運動保育士」なのです。
運動は子供にとって最も重要!?
子どもたちの体力低下が叫ばれるようになってもうかなり経ちますが、何故そうなってしまったのでしょうか?
社会や環境が変化し、子どもたちが外で遊ぶ場所も機会も減ってしまったことが要因と考えられていますが、確かに公園や空き地で子どもたちが群れ遊ぶといった光景を目にすることが少なくなった気がします。
体力低下の実情
運動保育士の認定を行っている「こどもプラス」のホームページによると…
- 子どもたちの「体格」は良くなっているけれど「体力」は落ちている。
- 体力が落ちたということは、それをコントロールする脳の機能も落ちている。
- 今の子どもは、外遊びはしないのに疲れやすい。
そのうえで、目指すべきは
「今の子どもたちの保育で必要なことは、まず“動ける体”を与えて自分の体をコントロールできる力を身に付けること」
としています。
運動は総合力も養う
外で遊ぶ、みんなで運動することで養われるのは体力や運動のための能力ばかりではありません。
みんなで行うからわかる協調性や、道具を使ったりすることで培われる創造性、人と連携することで身に付くコミュニケーション力などの習得に寄与していると言われています。
つまり、外で遊ばなくなったことで体力低下だけでなく、脳にも影響が及んでいるかも知れないのだそうです。
運動保育士の具体的な役割は?
では、このような実情に対して、運動保育士は実際にどういったことをするのでしょうか?運動保育士は、運動や遊びを通じて子どもの身体と心の発達を促すことを目的に指導する専門家です。
保育園や子ども園などの現場では、鉄棒や跳び箱などの器械体操などを通じて運動の楽しさを教えるといったことが実際の役割です。
それ以外にも、保育士や幼稚園教諭に運動を通じて心身の発育を促す手法をレクチャーする、いわばインストラクターのようなことをする場合もあります。
実際に運動保育士を採用している施設はまだまだ少ないようですが、保育園や幼稚園など、運動やスポーツに力を入れている施設はたくさんあります。
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メーカー名や価格
運動保育士の資格は、運動保育士会の講座を受講することで取得できます。これには、「運動遊び実践コース」と「子育て脳機能コース」の2つのコースがあります。
さらに、各コースとも初級>中級>上級とあり、それぞれ認定証とライセンスカード、名刺がもらえるそうです。
運動遊び実践コース
運動遊び実践コースでは、ただ運動を教えるだけでなく子供の発育に合わせた運動遊びを実践し、子どもを運動好きにする指導法を学びます。
初級
・取得資格…運動遊び実践アシスタント
・取得までの日数…半日
・料金17,000円
中級
・取得資格…運動遊び実践サブリーダー
・取得までの日数…2日
・料金38,500円
上級
・取得資格…運動遊び実践リーダー
・取得までの日数…4日
・料金68,500円
・子育て脳機能コース
子育て脳機能コースは、脳科学の研究を基に脳の発達について学び、こどもの発達に応じた関わりが出来るスペシャリストになれます。
- 初級
・取得資格…子育て脳機能アドバイザー
・取得までの日数…半日
・料金17,000円
- 中級
・取得資格…子育て脳機能ディレクター
・取得までの日数…2日
・料金28,500円
- 上級
・取得資格…子育て脳機能プロデューサー
・取得までの日数…2日
・料金28,500円
もし転職やキャリアアップに役立てるために資格を取得したいということであれば、「運動遊び実践コース」と「子育て脳機能コース」両方の上級を取得することをおすすめします。
日程や費用など詳しいことはこどもプラスのホームページをご参照下さい。
実際どんな運動をするの?
運動保育士になるための講座ではどういった運動を学ぶのでしょうか?
柳沢運動プログラムのひとつの目標が、小学生になるまでに「逆上がり」と「側転」が出来ることだそうです。そのためには腕の力を強くする必要があるので、例えば動物の四つ足歩行を取り入れた「片足のくまさん歩き」が効果的なのだそうです。
その片足のくまさん歩きや、跳び箱や逆上がり、縄跳びなどの基本的な運動が紹介されています。
特に難しいことをするわけではありませんが、子どもたちが楽しく行えるように教えるのも運動保育士のスキルなのかも知れませんね。
資格取得のメリット
最初にもお伝えしましたが、運動保育士は国家資格ではなく民間資格です。資格を持っているだけで何かが有利になったりするわけではありません。
ただ、柳沢運動プログラム導入を推奨する自治体もいくつかありますし、取り入れている保育園や幼稚園も徐々に増えています。
そういった施設の求人に応募する際に、運動保育士の資格を持っていればアドバンテージになるかも知れません。
例え柳沢運動プログラムを採用していなくても、運動に力を入れている施設はたくさんありますので、子どもたちに上手に運動を教えられる運動保育士は歓迎されるのではないでしょうか?
運動保育士の求人はある?
運動保育士自体まだまだ認知度が低く、運動保育士専門の求人は数少ないのが現状です。そんな中でも、いくつか関連のお仕事がありましたので少しご紹介します。
- 子どもの運動遊びをサポートする保育士
- 時給1,100円~ 交通費支給 有給休暇あり
- こどもプラスが運営する「柳沢運動プログラム」を取り入れた放課後デイサービスの指導員。
- 正社員:月給155,000円~290,000円
- パート:時給850円~※資格・年齢など考慮
- 週休2日 社保完備
- 音楽、体育教育に力を入れているため技能・経験により優遇
- 月給:186,000円~192,600円 シフト制実働8時間
運動保育士限定での求人は残念ながら見つけることができませんでした。
ただ、少子化がますます進むこれからは、保育園や幼稚園・子ども園も独自のカラーを出していかなければ生き残れない時代が来るのではないでしょうか?
これからもっと人気や需要が高まるであろう「運動保育士」、今のうちからチェックしておいて損はないですよ!