げんき広場 児童発達支援・放課後等デイサービス~子どもの気持ちを尊重し自分で選ぶ力を育てる支援~

埼玉県白岡市にあるげんき広場 児童発達支援・放課後等デイサービスは、発達に凸凹を抱える子どもたちが自分らしく過ごせる場所として地域に根ざした支援を行っています。今回、管理者・児童指導員の堀川さんにお話を伺い、外遊びを中心とした発散の場づくりや、気持ちのコントロールを学ぶ支援など、多様な取り組みを詳しくお聞きしました。一見すると困りごとが分かりにくい子どもたちも多い中、本当は困っている部分に丁寧に寄り添う姿勢が特徴です。子どもの意思を尊重しながら、安心してチャレンジできる環境を整え、家庭や学校だけでは満たしにくい経験をサポートするげんき広場。その魅力を紹介します。

げんき広場とはどんな施設?

げんき広場では、見た目からは困りごとが分かりにくい子どもたちを中心に支援しています。通所する多くの子どもがADHDの傾向を持ち、学校生活では緊張や我慢が続きやすいことから、発散できる場気持ちを切り替えられる場として外遊びを積極的に取り入れています。子どもが好きな活動を通して、過集中や感情の爆発が起きたときにどう対処するのかを一緒に考え、安心して過ごせる方法を身につけてもらうことを大切にしています。生活の中で経験する困りごとに対し、一人ひとりの特性や気持ちに合わせて丁寧に向き合う支援がげんき広場の基本方針です。家庭や学校では満たしきれない心と体の余白をつくることで、子どもたちが笑顔で帰宅できる時間を提供しています。

外遊びを中心に思いきり発散できる環境づくり

げんき広場の大きな特徴は、季節や天候を踏まえながら積極的に外遊びを取り入れている点です。学校では緊張状態が続きやすい子どもたちが、伸び伸び走ったり、自然の中で体を動かしたりすることで気持ちがほぐれ、落ち着きを取り戻す時間をつくっています。公園は車で30分圏内を中心に選び、長期休みには県外への遠足や大きな公園・施設への外出も実施。LEDライトを使った安全管理など、配慮を行いながら夕方まで活動する日もあります。外遊びは、ストレスの発散としてだけでなく、集団でのルール理解、他児との関わり、順番を守る経験など、社会性の学びとしても大きな役割を果たしています。保護者からも外で思い切り遊べるのが魅力と好評の取り組みです。

初めての場所や社会体験に挑戦できるサポート

公共施設の見学や工場見学、遠出の外出など、初めての場所に挑戦する経験を積めるのも、げんき広場ならではの魅力です。発達に特性のある子どもは、新しい環境が不安につながりやすいため、スタッフが事前にルールや当日の流れを伝え、安心して活動に参加できるよう丁寧にサポートしています。電車を利用した外出では、切符の買い方や乗車マナーを一緒に練習し、社会性を育む学びの時間にしています。家庭では訪れる機会の少ない場所に足を運ぶことで、子どもたちは新しい体験を通して「できた!」という達成感を得やすくなり、自信にもつながります。日常の外遊びとは違う刺激を受けながら、自分の世界を広げていけるよう支援している点が特徴です。

子どもの意思決定を尊重する支援

げんき広場では、子どもの不安を減らすため、翌週の予定を事前に掲示し、見通しを持って過ごせるよう工夫しています。活動内容を把握することで心の準備ができ、服装や持ち物を自分で選べるなど、自立への一歩にもつながっています。また、「どちらにする?」と選択肢を示し、子どもの意思決定を大切にする支援も特徴です。公園か室内か、製作か外遊びかなど、その日の気持ちや体調に合わせて子ども自身が選べるようにし、納得感を持って活動に参加できる環境を整えています。天候やスタッフ体制による変更が必要な場合は、理由を丁寧に説明し、話し合いながら決める姿勢を重視。子どもを一人の人格として尊重し、対話を通じて自分で選ぶ力を育てる支援を行っています。

一人ひとりに合わせた課題・学習支援

現在、通所する子どもたちは年長児から高校3年生までと幅広く、男女比は女の子が約3割。多くは小学生ですが、中学生・高校生の利用もあります。宿題や課題への支援では、一人ひとりの理解度に合わせて難易度を調整し、必要に応じて市販プリントやビジョントレーニングなどを取り入れています。特別支援学校の子どもには、シール貼りや書字など、その子に合った課題を用意し、みんなが学ぶ時間に孤立しないよう工夫。年齢差がある中でも、自然に小グループが生まれたり、高学年が低学年にルールを説明したりする場面も多く、異年齢ならではの学びが育っています。学習面だけでなく、生活スキルや社会性の練習も取り入れ、総合的な成長を支える療育を行っています。

不登校児への支援と地域課題への向き合い

最近は、不登校の子どもの相談が増えているといいます。学校に行けない日が続くと、家庭と限られた場所だけで生活が完結してしまい、社会とのつながりが細くなってしまいがちです。げんき広場では、そうした子どもたちも「社会性を育みたい」という保護者の願いに寄り添い、別枠の支援として受け入れを行っています。特性が明確でない子も多く、対応の難しさもありますが、本人のペースを尊重しながら少しずつ外との関わりを取り戻すサポートを実施。白岡市周辺では不登校児を受け入れる民間施設がまだ少なく、地域の課題として堀川さんも強く実感されていました。こうした居場所の不足を補う取り組みは、げんき広場が地域に果たす大切な役割の一つとなっています。

今後の展望

げんき広場では、子どもたちが高学年へ進むにつれて高まる「この先どんな進路があるのか」という保護者の不安に寄り添うため、将来を見据えた取り組みを進めています。その一つが、就労継続支援B型事業所と連携した月1回のイラスト教室です。専門スタッフがタブレットを使ったイラスト制作を指導し、将来の選択肢として就労B型で働くという道を具体的にイメージできる機会をつくっています。収益面などの課題はあるものの、まったく先が見えない状況よりも、子どもと保護者に一つの可能性を提示することが安心につながると考えられています。さらに、白岡市は児童向けデイサービスがまだ少ない地域であるため、今後は地域のニーズに応じて支援の拡大も視野に入れているとのこと。子どもたちの成長と未来を長い目で支える姿勢が、げんき広場の今後の展望に表れています。

げんき広場 児童発達支援・放課後等デイサービスについて

げんき広場 児童発達支援・放課後等デイサービス オフィシャルサイト