コスモ重心型児童発達支援・放課後等デイサービス アミィ~医療的ケア児を支える共生型の支援~

埼玉県越谷市にあるコスモ重心型児童発達支援・放課後等デイサービス アミィを取材しました。今回は、社長の林さんと施設長の和田さんにお話を伺い、医療的ケアが必要な子どもから成人、高齢者まで多世代が共に過ごす共生型支援の姿を詳しく教えていただきました。看護師・介護スタッフ・保育士が連携して支援を行う体制が整っており、医療的ケアと日常生活のサポートを一体として提供できる点が大きな特徴です。子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりはもちろん、家庭での負担が大きい入浴や医療ケアをできる限り代わりに行うなど、保護者を支える視点も大切にされています。地域に寄り添い、多様な利用者が心地よく過ごせる温かな空間を提供するアミィ。その魅力を紹介します。

アミィが生まれたきっかけ

アミィの出発点は、「医療的ケア児を安心して預けられる場所をつくりたい」という現場スタッフの強い想いでした。薬局事業から在宅支援・訪問看護へと事業を広げる中で、医療的ケア児やその家族を支える必要性に気づいたスタッフたちから声が上がり、取り組みが本格的に。そこから静岡・愛媛・神奈川・東京など全国の施設を訪ね、必要な設備や支援のあり方を学びながら準備を進めていきました。ご家族が24時間看護を担い外出すら難しい家庭の負担を少しでも減らしたいという願いが、医療だけでなく生活を支える場所づくりの原動力になりました。コロナ禍で準備が遅れる時期もありましたが、現場の熱意が支えとなり、5年前にアミィが誕生。会社主導ではなく、現場の「やりたい」が形になった施設です。

医療的ケアと生活支援の両立

アミィでは医療ケアと生活支援を切り離さず、一体の支援として提供することを大切にしています。看護師が常駐し、たんの吸引など日常的に必要な医療的ケアに対応できる体制を整備。訪問看護ステーションを併設しているため、体調の変化にも素早く対応でき、必要に応じて医療機関との連携もスムーズです。また、食事・入浴・製作活動など、利用者が心地よく過ごせる日常のケアにも力を入れています。安全性と生活の豊かさを両立し、利用者本人と家族の安心につながる支援を実現しています。

多世代を受け入れる共生型支援の特徴

アミィの大きな特長は、0歳から100歳以上の高齢者まで、多世代を受け入れる共生型の支援を行っていることです。1日の利用者数は平均10名ほどで、男女比は女性が約8割。特に多いのは18歳以上の生活介護の利用者で、卒業後の進路先が少ない中、成人期以降も継続して利用できる環境は家族にとって大きな支えになっています。子どもと高齢者が同じ空間で関わり合うことで、自然な交流や笑顔のやりとりが生まれ、お互いにとって良い刺激となっています。医療的ケアが必要な方でも安心して過ごせるよう、空間づくりや動線にも細やかな配慮が施された環境です。

児童への支援(未就学~高校生)

アミィでは、放課後等デイサービスを中心に、学齢期の子どもたちに対して成長段階に合わせた支援を行っています。現在、児童発達支援の利用はありませんが、受け入れ体制は整えており、生活の流れの中で体の動きや関わりを促すプログラムを備えています。小学生〜高校生が利用する放課後等デイサービスでは、学校での疲れに配慮し、健康チェックや機能訓練、入浴、レクリエーションなどをその日の体調に合わせて柔軟に実施。家庭での入浴が難しくなる子も多いため、施設でサポートすることで保護者の負担を軽減できるような支援を心がけています。本人の意思を尊重しつつ、安全面に細心の注意を払う姿勢が特徴です。

成人の生活介護(18歳以上)

アミィでは特に18歳以上の利用者が多く、生活介護が支援の中心となっています。入浴や医療的ケア、休息、製作や会話など、一日の過ごし方はその人の状態や希望に合わせて柔軟に調整。午前は入浴や医療的ケア、午後は製作活動や落ち着いて過ごす時間など、無理のないリズムで過ごせるよう工夫されています。卒業後の受け皿が少ない中でも、長く安心して通える環境があることは、家族にとっても大きな安心材料となっています。

製作活動・季節行事

医療的ケアだけでなく、日々の暮らしに楽しみや彩りを添える製作活動や季節行事にも力を入れています。18歳以上の利用者は年に2回、春と秋の製作を行い、これまでに風鈴づくりや染め物、香り袋など、手触りや色を楽しめる作品に取り組んできました。手先を大きく動かせない方も多いため、スタッフが寄り添いながら一緒に色付けを行うなど、誰もが参加できる工夫を大切にしています。児童の利用者に向けては、保育士が中心となり、ハロウィン・クリスマス・七夕などの季節製作を実施。最近では、さつまいもグランプリといったユニークな企画もあり、利用者とスタッフが一緒に盛り上がる時間になっています。また、市が主催するアートフェアへの作品出展など、地域とのつながりを感じられる活動も行い、日常に豊かさと喜びを生み出しています。

家族との連携・信頼関係

アミィでは利用者本人だけでなく、ご家族との関係性を大切にしながら支援を行っています。医療的ケアが必要な方が多いからこそ、家族の負担や不安に寄り添う姿勢を重視し、日々の様子や体調の変化を丁寧に共有しています。訪問看護ステーションと連携し、必要に応じて看護師から健康状態の報告や助言が入る体制が整っているため、体調が不安定な利用者でも安心して任せることができます。ご家族の希望を尊重しつつ、無理のない範囲で最適な支援方法を探り、家庭と施設の架け橋となる関わりを意識している点も特徴です。また、忘れ物や小さなミスが信頼に大きく影響するため、無事故で安全にお返しすることを最優先に、スタッフ全員で細やかな確認を徹底。日常の積み重ねを大切にし、安心して預けてもらえる関係づくりを大事にしています。

今後の展望

これから新しい事業を増やすよりも、現在行っているサービスをより丁寧に整えていくことを大切にしています。林社長も「今は広げることより、今ある支援をしっかりまとめていきたい」と話しており、利用者や家族が安心して通い続けられる環境づくりを最優先に考えています。医療的ケアが必要な方や卒業後の行き場に悩む方など、地域のニーズに寄り添いながら、日々のケアや生活支援の質をより高めていく姿勢が印象的です。多職種で協力し合いながら、利用者一人ひとりに合わせた支援を継続し、長く安心できる地域の拠り所としての役割を深めていくことが今後の目標となっています。

コスモ重心型児童発達支援・放課後等デイサービス アミィについて

コスモ重心型児童発達支援・放課後等デイサービスアミィオフィシャルサイト