2歳児の発達障害チェックリストを紹介【特徴・関わり方・症状・検査・ねらい】

2歳ごろになると、簡単な言葉で気持ちを伝えたり公園で走り回ったりと、できることがぐっと増えてきます。また、自我が芽生え始め、気に入らないと「いや!」と伝える姿が見られるなど、心と体の成長が大きく進む時期でもありますよね。その一方で、周りの子どもたちと比べて「まだ言葉が出ないけれど大丈夫かな」「お友だちと関わる様子が少ないかも…」と不安を抱く保護者も少なくありません。そこで、2歳児の発達の目安や、発達障害の可能性に気づくためのチェックリストを作りました。グレーゾーンと呼ばれる状態についてもわかりやすく解説していますので、よろしければ参考にしてみてくださいね。

発達障害を疑われる2歳児の特徴

言語発達の遅れ

発達障害が疑われる2歳児の特徴のひとつに、言語発達のゆっくりさがあります。一般的には、1歳半頃になると「ママ」「あった」「ワンワンきた」など、3〜4語ほどの単語を話し始める子どもが多く見られますよね。しかし、中には言葉がほとんど出なかったり、「ボール ちょうだい」のように単語をつなげることが難しかったりする子もいます。また、自分の気持ちをうまく伝えられず、大人が言った言葉をそのまま繰り返すオウム返しのような表現が増えることもあります。このように、発語の遅れや特徴的な話し方が続く場合は、ASDの可能性が考えられます。

感覚過敏

発達障害が疑われる2歳児の2つ目の特徴として、感覚過敏が挙げられます。感覚過敏とは、視覚や聴覚、触覚などの五感がとても敏感になり、日常の刺激に強く反応してしまう状態のことを指します。例えば、次のような特徴があげられますよ。

・掃除機の音に驚いて耳をふさいぐ
・スーパーの蛍光灯の光をまぶしがって泣き出しす
・洋服のタグが肌に触れるだけで嫌がる

このような様子が見られることがあります。こうした感覚の敏感さが目立つ場合、ASDの特性として語られることもありますが、感覚過敏がある=発達障害と断定できるわけではありません。

1人で遊ぶ

発達障害が疑われる2歳児の3つ目の特徴として、頻繁に1人で遊ぶことが挙げられます。2歳頃は並行遊びといって、お友だちと同じ場所にいても別々の遊びをすることが多い時期です。しかし、

・周りに子どもがいてもまったく関わろうとしない
・積み木を同じ順番で並べ続ける

など、こだわりの強い遊びだけに夢中になる場合、発達の特徴として見られることがあります。ほかにも、大人とはコミュニケーションが取れるが、お友だちとの交流が少ない子どももいますよ。これらの特徴がある場合は、ASDの可能性が考えられます。

強いこだわり

発達障害が疑われる2歳児の4つ目の特徴は、強いこだわりがあることです。この時期の子どもは、興味や関心が偏ることはあるものの、発達障害の特性として特定のものだけを強く好む傾向がより顕著に表れます。例えば、次のような特徴がありますよ。

・特定の席に座りたがる
・特定の色のおもちゃ以外を拒否
・持ち物が少し変わっただけで不安がる

このようなこだわりは、ASDの特性の可能性があります。また、決まった手順で行うことはとても得意ですが、その流れが少し変わると対応が難しくなることも。例えば、いつも靴を履いてから帽子をかぶるという順番でお出かけしている子どもが、帽子を先に渡されただけで戸惑って動けなくなることがあります。

同じことを繰り返す

発達障害が疑われる2歳児の5つ目の特徴は、同じことを繰り返すことです。繰り返し同じ行動をする理由は、安心感を得たり刺激を調整したりする場合があるためです。例えば、以下のような動きがあげられますよ。

・手を振る
・体を揺らす
・その場でくるくる回る
・ジャンプする
・特定の独り言を言う

このような、同じ動作を繰り返し行うことを常同運動と言い、発達障害の子どもによくみられる特徴です。常同運動もASDが疑われる症状で、緊張感や不安感を和らげるために行っているとされています。

表情が乏しい

発達障害が疑われる2歳児の6つ目の特徴は、表情が乏しいことです。表情はコミュニケーションを取るために欠かせませんが、発達の特性により表情による感情表現が表に出にくい場合があります。例えば、次のような点が特徴としてあげられますよ。

・微笑みかけても無表情のまま
・楽しい場面でも無表情
・目線が合わず逸らされる

このような特徴が目立つ場合は、ASDの疑いが考えられますよ。発達障害を持つ子どもの場合、周りの人と関わろうとする社会性が低い傾向があります。

寝つきが悪い

発達障害が疑われる2歳児の7つ目の特徴は、寝つきが悪いことです。なぜなら、発達の特性によって感覚が敏感だったり、興奮が続きやすかったりすることで、眠りに入りにくくなる場合があるためです。例えば、次のような特徴があげられます。

・布団に入っても眠れない
・保護者がそばにいないと眠れない
・夜になっても元気いっぱい
・特定の持ち物がないと眠れない
・昼寝ができない
・夜中に何度も目を覚ます

こうした睡眠の悩みが続くときは専門機関へ相談すると、安心して対策を考えられるようになりますよ。

癇癪を起す

発達障害が疑われる2歳児の8つ目の特徴は、癇癪を起すことです。なぜなら、気持ちの切り替えが苦手なことや、相手に自分の思いをうまく言葉で伝えられないことで、ネガティブな感情が爆発しやすくなるためです。例えば、おもちゃが思い通りに動かないだけで激しく泣き続けたり、外出先で気に入らないことがあると床に寝転んで叫んだりする姿が見られますよ。このような癇癪を起す場合は、ASDやADHDの可能性が疑われます。

抱っこを嫌がる

発達障害が疑われる2歳児の9つ目の特徴は、抱っこを嫌がることです。感覚の特性により、肌の触れ方や身体の密着に強い違和感を覚えることがあり、その違和感が抱っこを拒否する原因になる場合があります。例えば、抱き上げようとすると体を反らせて嫌がったり、膝の上に乗せてもすぐ降りたがったりします。また、触れるとサッと逃げてしまう様子が見られることもありますよ。このような理由から、抱っこを嫌がるのは感覚が過敏という特徴が出やすいASDの可能性があります。

人見知りがない

発達障害が疑われる2歳児の10個目の特徴は、人見知りがないことです。この時期は、知らない人に対して警戒したり保護者の後ろに隠れたりする姿が増えるため、人見知りのなさが目立つと対人反応の特徴として捉えられることがあります。例えば、次のような特徴があげられますよ。

・初対面の人にすぐに近づく
・物理的な距離感が近い
・相手の持ち物に勝手に触る

2歳の子どもが人見知りをするのは、記憶力や認識力が正常に育まれている証です。しかし、上記のように人見知りをしないのは、そのような力が未発達の可能性があるため、発達障害が疑われるのです。

2歳児の発達の特徴

【心の発達】好奇心や自我が強くなる

2歳児の心の発達の特徴として、「自分でやってみたい」という気持ちが強くなり、好奇心や自我が強くなります。

・反抗期やイヤイヤ期が見られる
・思い通りにならないと癇癪を起こす
・保護者だけでなくお友だちとも遊べるようになる

この時期は、自分で挑戦したい気持ちが育つ大切な段階です。そのため、大人が先回りしてすべて手伝うのではなく、できることは子ども自身に任せてあげると自信につながりますよ。その一方で、危険なことや人を傷つける行為などは、優しく理由を添えて伝えることで、安心して心の成長を支えることができます。

【言葉の発達】簡単な指示を理解できる

2歳児の言葉の発達の特徴として、簡単な指示が理解できるようになります。少しずつ簡単な指示を理解できるようになり、「ブーブー行ったね」「にゃんにゃんいたよ」など、二語文で気持ちを伝える姿も見られるようになります。また、この時期は個人差がとても大きく、今までほとんど話さなかった子が、急にたくさんおしゃべりを始めることも珍しくありません。さらに、約300語ほどの言葉を覚え、自分の名前や年齢などの質問にも答えられるようになる子どもも増えてきますよ。身近な大人や子どもとのやりとりも増えてくるため、多少の言葉の遅れは気にせずに、積極的にコミュニケーションをとることが大切です。

【体の発達】行動範囲が広がる

2歳児の体の発達の特徴として、行動範囲の広がりがあげられます。例えば次のような行動です。

・階段の上り下りができる
・ボールを投げる、蹴るができる
・服を自分で着替えることができる

また、指先の機能も発達するため、道具を使った遊びができるようになってくるでしょう。積み木や粘土など、細かな機能を学ぶことができる遊びを取り入れることをお勧めします。このような遊びは、集中力や手先の巧緻性を育てるよい機会にもなりますので、日常の中で取り入れてみると、子どもがワクワクしながら成長できる時間になりますよ。

発達障害の種類と症状チェックリスト

ASD

子どもに見られる発達障害の1つ目は、ASD(自閉症スペクトラム障害)です。ASDとは、発達の特性として強いこだわりが見られやすいことが特徴です。例えば、人への関心が弱く、初めて会う大人と目を合わせにくかったり、お友だちと遊ぶ流れに入るのが難しかったりする子どももいます。保育の現場でも、一人遊びを好む子や決まった環境で安心して過ごしたい子はよく見られますので、ゆっくり寄り添っていくことがとても大切です。

2歳児のASDチェックリスト
・睡眠時間が不安定
・常同行動をする
・言葉に遅れがある
・走ったり飛んだりする動作が苦手
・決まった服以外を着るのを嫌がる

ADHD

子どもに見られる発達障害の2つ目は、ADHD(注意欠陥/多動性障害)です。ADHDは、生まれつき脳の働きに特性があり、注意が続きにくかったり、体を動かさずにいることが難しかったりすることがあります。

2歳児のADHDのチェックリスト
・すぐに癇癪を起こしてしまう ・じっとすることができない
・いきなり走り出す
・気が散りやすく、1つのことを継続してできない
・おもちゃを友達からとってしまう

2歳頃は「イヤイヤ期」とも重なるため、発達段階の行動との区別がとても難しい時期でもあります。

LD

子どもに見られる発達障害の3つ目は、LD(学習障害)です。LDの子どもは、全体的な知的発達に遅れがあるわけではありませんが、特定の分野だけが極端に苦手に見えることがあります。

2歳児のLDのチェックリスト
・似ている文字「わ」「れ」や「ぬ」「ね」などの区別がつかない
・読み飛ばしが多く、スムーズに読めない
・文字のバランスをとることや、枠内に収めて書くことが難しい
・板書するのに時間がかかる
・数字の認識ができず、規則性が理解できない
・計算ができない

LDは知的発達に問題がない場合も多いため一見気づきにくく、判断が難しい発達障害のひとつです。だからこそ、子どもの「できない」だけを見るのではなく、得意なことや楽しめる活動を一緒に見つけながら、ゆっくり寄り添っていくことが大切ですね。

子どもが発達障害かもと思ったら

専門機関に相談する

子どもが発達障害かもと思ったら、専門機関に相談しましょう。子どもの発達に「何か気になるな」と感じたときは、一人で悩まず専門機関に相談してみることをおすすめします。発達には大きな個人差があり、機嫌や体調によってできることが変わることも珍しくありません。そのため、毎日そばで見守っている保護者の方でも、成長の範囲内なのか、それとも早めのサポートが必要なのか迷ってしまうことがあります。少しでも不安があるときには、次のような相談先を活用してみてください。

・子育て支援センター
・児童相談所
・保健センター
・児童発達支援センター
・小児科
・療育
・通っている保育園

参考:https://life.litalico.jp/hattatsu/contact/

子どもが苦手な分野も無理のない範囲で取り組む

2歳児で発達が気になったら、子どもが苦手な分野も無理のない範囲で取り組むようにしましょう。発達障害では、日常生活でのつまずきやお友だちとの関係がうまくいかないことで、二次障害につながることがあります。例えば「今日は遊びに入れてもらえなかった」「約束を守れず喧嘩になってしまった」などです。ささいな出来事が積み重なると、登園拒否や引きこもりにつながることも。そのため、社会生活で必要になるスキルを無理なく身につけられる支援が大切です。挨拶の練習や自分の名前を言うなど、簡単な取り組みから始めて、少しずつ成功体験を増やしていきます。こうした積み重ねが、お友だちとのトラブルを減らし、自信を持って過ごせる土台になるでしょう。

まとめ

チェックリストを使って発達の特性を知ろう!

いかがでしたか?今回は、2歳児に見られる発達障害の特徴やチェックリストについてお伝えしました。チェックリストは、子どもの得意なことや、苦手なことを客観的に把握するための大切な手がかりになります。例えば、言葉がゆっくりかもしれないなど、日常で少し気になる様子があれば、まずは書き出してみることで発達の傾向が見えやすくなりますよ。もちろん、チェックがついたからといってすぐに発達障害というわけではありません。大切なのは、気づいた特性を知り、子どもに合った関わり方を考えていくことです。焦らずに、子どもの成長を見守っていきましょう。