子どもの発達や特性について悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。そんな方にオススメなのが児童発達支援士という資格です。初めて耳にしたという方も多いかもしれません。児童発達支援士は民間資格ですが、子どもの発達に関する基礎知識から実践で役立つ内容まで学ぶことができます。子どもと関わる仕事をしている方や子育てをする主婦の方など、幅広い層の方に役立つ資格ですよ。今回は、児童発達支援士について詳しく解説していきます。ご参考にしてみてくださいね。
児童発達支援士とは?
一般社団法人の人間力認定協会が認定する民間資格

児童発達支援士とは、一般社団法人の人間力認定協会が認定する民間資格です。民間資格でありながら、経済産業省の特許庁に商標登録されており、発達障害児支援の場で昨今注目されている資格となっています。発達障害の知識だけでなく、脳科学や心理学に基づいた支援方法、子どもの自立を促すスキルなど実際の現場で活かせるケーススタディが学べることも魅力ですよ。人間力認定協会では、発達障害児支援の輪を広げる意見交換会も定期的に行われており、情報交換の場としても活用されています。
児童発達支援士の資格を取るには?
認定試験に合格することで取得可能

児童発達支援士の資格は、人間力認定協会の認定試験に合格することで取得できます。人間力認定協会のテキスト学習と動画視聴で学習し、受講から試験まで全てオンラインで取得可能です。24時間365日いつでも好きなタイミングで受験することができるのは魅力ですよね。児童発達支援士は受講者数が多く、知名度も高いため、実際に就職の際に有利になったという声も。海外在中の方など、インターネット環境があればどこの国からでも受験が可能なのも特徴です。
児童発達支援士の認定試験の概要
受験資格や受講料

ここからは児童発達支援士の認定試験の概要について説明していきます。受験に年齢制限はなく、学歴や経歴問わずどなたでも受講が可能です。人間力認定協会が認定するオンライン講座を受講した方が受験の対象となります。費用は、受講料が税込37,400円、試験料が税込5,060円で合計42,460円です。受講者は子育てをしている保護者や保育士、保育施設のスタッフなど実際に子どもと関わっている方が多いのが特徴。年齢層は10代の学生から60代の方まで幅広く、特に多いのは30代から40代の方となっていますよ。
難易度
児童発達支援士の難易度はどのくらいなのか気になりますよね。受講をしてから試験を受けられる期間は8カ月となっており、平均受講期間は2か月程度です。合格率は90%程度と高く、更新なども必要ありません。実際に療育の現場で働いている方など、早い人は2週間程度で合格する場合も。履歴書には合格した日を取得日として記載することができ、認定証は合格してから約3週間で届きます。もし不合格となった場合は、受講料(税込5,060円)を支払うことで再受験が可能です。
児童発達支援士の資格が活かせる職場
放課後等デイサービス

続いて、児童発達支援士の資格が活かせる職場についてご紹介します。放課後等デイサービスは、障害あるいは療育の必要がある6~18歳の就学児に対して学校の放課後や休日、夏休みなどの長期休暇に居場所を提供する施設です。個々の特性に合った発達支援や家族支援などを目的としており、児童発達支援士の資格を取ることで発達障害への理解が深まります。また、子どもの発達支援にも役立てることができるでしょう。資格の取得により、保護者に安心感を与え、信頼関係を築きやすくなると考えられます。
児童発達支援センター

児童発達支援センターは、0~6歳の未就学児の発達支援を始め、地域の障害児や家族への相談、地域の保育施設などとも連携する地域の中核施設です。児童発達支援センターへの就職活動では、保育士や児童指導員任用資格が有利ですが、児童発達支援士を併せ持つことで質の高い支援が可能になります。また、個々の個性のバラつきにも対応しやすくなるでしょう。さらに、キャリアアップのために児童発達支援士の資格取得を目指す方も多いですよ。
児童発達支援事業所

児童発達支援事業所は、地域の身近な場所で個別の療育や訓練を提供する施設で、家族支援の他にも保育園や幼稚園との連携もします。児童発達支援センターよりは小規模ですが、地域に特化しているのが特徴です。0歳~小学校入学前までの発達支援が必要な子どもが対象となりますよ。児童発達支援士の資格があることで、専門知識の証明にもなるため、発達障害のある子どもの特性への理解が進むのではないでしょうか。個々に合った接し方ができるため、子どもにとっても親しみやすい存在となるでしょう。
保育園・幼稚園

児童発達支援士の資格が活かせる職場として、身近な存在である保育園や幼稚園もあります。保育士資格や幼稚園教諭免許を持っていることが前提とはなりますが、児童発達支援士の資格を持つことで子どもの行動の背景や発達段階を意識して観察できるようになります。発達に遅れがある場合や療育が必要な子どもへの接し方への理解が深まり、ちょっとした気づきや変化まで保護者との連携がしやすくなるでしょう。なお、保育士資格を活かして児童発達支援施設などで発達障害を持つ子どもの療育(発達支援)を行う保育士は、療育保育士と呼ばれています。
小学校・特別支援学校
小学校・特別支援学校も児童発達支援士の資格を活かせる職場です。小学校や特別支援学校の教員免許を持っていれば必須ではありませんが、小学校では特別支援学級がある学校も多いですよね。そういった学級を担当する場合、児童発達支援士の資格を持っていると、有利になることは間違いないでしょう。普通学級でもグレーゾーンの子どもがいることもあるため、そういった子どもへの授業での対応や日常生活での接し方にも役立つ資格となります。
放課後児童クラブ
放課後児童クラブは通称学童保育とも呼ばれています。発達障害等の有無にかかわらず、保護者が仕事で昼間家にいない小学生を対象に、放課後や長期休業中に居場所を提供する施設となっています。主に障害のない定型発達児が多い施設ではありますが、発達障害を抱えている子どもがいる場合もあれば、グレーゾーンの子どもがいる場合も。児童発達支援士の資格があれば、そうした子どもへの配慮や接し方を工夫して対応することができるのではないでしょうか。
児童発達支援士の1日の例
集団療育型施設の場合

児童発達支援士の1日の業務例をご紹介します。集団療育型施設の場合では、複数人での活動を通して子どもたちの社会性やコミュニケーション力を育みます。
【午前】
・出勤・朝礼、活動内容や配慮事項の共有
・環境整備、教材や遊具の準備
・児童来所対応、朝の会
・集団遊びや制作、運動療育
【午後】
・昼食や休憩の見守り
・集団活動、帰りの会
・保護者対応、支援記録作成
・振り返り、翌日の準備
集団支援の経験を積むことで、幅広い対応力や観察力を高められる点が大きな魅力です。
個別療育型施設の場合

続いて個別療育型施設の場合です。個別療育型施設は、子ども一人ひとりに合わせた支援が特徴です。
【午前】
・出勤後、支援計画や前回記録の確認
・療育室や教材の準備、来所対応
・課題遊びや認知・言語・運動支援などの個別療育
・成功体験を意識した関わりと簡単な記録
【午後】
・入れ替え制での個別療育、内容調整
・保護者へのフィードバック
・支援記録作成、ケース共有、翌日の準備
児童発達支援士として専門性を発揮し、子どもの成長に深く関われる点が大きな魅力です。
児童発達支援士の給料
年収250万円~450万円程度

児童発達支援士の給料は、年収250万~450万程度と言われています。児童発達支援士の給与は施設の求人ごとに幅がありますが、実際の給与は多くの場合、児童指導員や療育スタッフとしての待遇で決まることが多いですよ。また、公立か民間かなど働く施設の種類や夜勤の有無、地域によっても差があります。次の章で解説していきますが、児童発達支援管理責任者を目指し、給料を上げるという選択肢もあります。
児童発達支援士と似た資格の違い
児童発達支援管理責任者

最後に児童発達支援士と似た資格の違いについて解説していきますね。まずは先程の章で登場した児童発達支援管理責任者についてです。児童発達支援管理責任者は通称児発管(じはつかん)とも呼ばれています。児発管になるには、実務経験や実務研修が必要で、その後は5年に一度の更新研修が必須となり、更新研修の受講にも2年以上の実務経験が求められます。要件が厳しく、児発管になるには時間がかかりますが、児発管の配置が義務付けられている施設も多く、需要が高い資格と言えるでしょう。
発達障害児支援士

発達障害児支援士は、日本発達障害支援協議会認定(四谷学院)が認定する民間資格です。児童発達支援士と受講対象者や学習内容は似ていますが、児童発達支援士は療育現場での関わり方を学ぶ実務寄りの資格です。一方、発達障害児支援士は発達障害の特性理解に強い知識重視の資格と言えるでしょう。なお、発達障害児支援士の取得者を対象として、さらに専門性を追求した発達障害児専門支援士という資格もあります。セットでの受講が推奨されていて、より実践的なスキルを磨くことができますよ。
子ども発達障害支援アドバイザー

子ども発達支援アドバイザーは、発達障害やグレーゾーンの子どもへの理解を深め、成長に合わせて適切な対応ができるように学ぶユーキャンで取得できる民間資格です。子どもと関わるすべての人が対象となります。児童発達支援士は、療育現場で子どもと直接関わるための知識を学ぶ資格です。一方、子ども発達支援アドバイザーは家庭や周囲の大人が子どもを理解し、支えるための資格と言えるでしょう。
自閉症スペクトラム支援士

自閉症スペクトラム支援士は、NPO法人日本自閉症スペクトラム支援協会が認定する民間資格です。発達障害であるASD(自閉症スペクトラム症)に特化した資格で、ASDへの理解やサポートをするための知識、支援方法を学ぶことができますよ。児童発達支援士の支援対象が発達に特性のある子ども全般であるのに対し、自閉症スペクトラム支援士は、ASDの特性理解と配慮を深めるための専門資格であると言えます。ASDに特化しているため、どのような子どもをどのように支援したいかを具体的に説明しやすくなるという利点も。
まとめ
児童発達支援士について理解を深めよう

いかがでしたでしょうか。今回は児童発達支援士について解説しました。児童発達支援士は民間資格でありながら知名度も高く、子どもと関わる仕事をしている方や子育てをする主婦の方まで幅広い層の方に役立つ資格と言えます。子どもと関わる仕事をしている方にとっては、キャリアアップのきっかけにもなり、転職にも有利になるでしょう。子どもの特性や療育に悩む方、理解を深めたい方は資格取得を視野に入れてみてださいね。知識だけでなく実践で役立つケーススタディも学ぶことができますよ。

