赤ちゃんと目が合わない原因とは?【2か月・3か月・6か月・1歳・相談先】

赤ちゃんに話しかけた際に、なかなか目が合わずコミュニケーションが取れているのか心配になった経験はありませんか?発達の遅れなのか、何かの病気なのではないかと不安を抱く方もいるかもしれませんね。今回の記事では、赤ちゃんの視覚の発達ペースや目が合わない原因、主な相談先についてなどを紹介しています。赤ちゃんの視覚の発達について不安を抱えている方や詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

赤ちゃんと目が合うのはいつ頃から?

生後2か月頃

一般的に、赤ちゃんと目が合うようになるのは生後1~2か月頃からです。生後2か月頃になると視力が少しずつ発達し、約30cmほどの距離にある顔や物をぼんやりと認識できるようになります。この頃から赤ちゃんは保護者の顔に興味を持ち始め、目が合うとじっと見つめ返してくれることが増えてきますよ。まだ短い時間ですが、目が合うことで親子の絆が深まる大切な時期です。この時期に、優しく話しかけたり笑いかけたり積極的にコミュニケーションをとることで、赤ちゃんの情緒や社会性の発達にも良い影響を与えます。

赤ちゃんの視覚の発達

生後すぐ~1か月頃

生後間もない赤ちゃんの視覚はまだ未発達で、ぼんやりとしか見えていません。特に焦点が合う距離は20~30cm程度で、これは授乳時に見える母親の顔の距離とほぼ同じです。明暗の区別や動く物への反応はあるものの、色の識別はほとんどできません。一方で、コントラストのはっきりした白黒の模様には興味を示すことが多いです。生後1か月頃になると、少しずつ目で物を追う追視が始まり、周囲への関心が高まり始めますよ。この時期は、赤ちゃんの視覚をやさしく刺激するような関わりが大切です。

2か月頃

生後2か月頃の赤ちゃんの視覚は、急速に発達し始める時期です。この頃には、明るさや色の違いが少しずつわかるようになり、特に白黒のコントラストがはっきりした物に興味を示します。また、30cm程度の距離にある人の顔を見つめたり、追視が見られることもありますよ。この時期は目の筋肉が発達するので、両目で焦点を合わせる練習を始める段階とも言われています。しかし、視力自体はまだ弱く、はっきりとは見えていません。視覚の発達を促すためにも、顔を近づけて話しかけたり、色のはっきりしたおもちゃを見せたりすることが効果的です。

3か月頃

生後3か月頃になると、赤ちゃんの視覚はさらに発達し、よりはっきりと物を見分けられるようになります。特にコントラストのはっきりした物や、動く物に興味を示し、追視も上手になってきますよ。また、保護者の顔や表情をよく見つめたり、笑いかけられると笑顔を返す社会的微笑が見られたりします。視覚と感情のつながりが強まり、コミュニケーションの基礎が築かれる大切な時期と言えますね。明るい色や動きのあるおもちゃなどを使って、赤ちゃんの視覚や好奇心を刺激してあげると良いでしょう。

6か月頃

生後6か月頃になると、赤ちゃんの視覚はさらに発達し、物の形や色の違いをよりはっきりと認識できるようになります。両目で物を見る両眼視も発達してくるため、奥行きや距離感も少しずつ理解し始めます。この時期には、保護者の表情の変化や細かい動きにも反応しやすくなり、人見知りが始まる子どももいますよ。また、目と手の協調も進み、興味のある物を目で追って手を伸ばすようになります。視覚の発達は、周囲への関心や探索行動を支える大切な要素であり、赤ちゃんの好奇心や学びの基盤になります。カラフルなおもちゃや絵本などで遊ぶことで、視覚に刺激を与えて発達を促すことができます。

1歳頃

赤ちゃんの視覚は生後1年を通じて大きく発達します。1歳頃になると、視力はほぼ大人の半分ほどに達し、遠くの物や動く物にも焦点を合わせられるようになります。色の識別もできるようになり、赤・青・黄色などの鮮やかな色に強い興味を示します。また、物の形や大きさ、距離感を理解し始め、目と手の協調も発達するため、目で見た物を手でつかむ動きがスムーズになりますよ。この時期は、視覚を通してさまざまな情報を吸収し、物の名前を覚えたり、人の表情を読み取ったりする力も育まれる重要な段階です。絵本を一緒に見たり、カラフルなおもちゃで遊んだりすることで、さらに視覚の発達を促すことができます。

3歳頃

3歳頃の赤ちゃん(幼児)は、視覚がほぼ大人と同じレベルに近づいてきます。この時期になると遠くの物もはっきり見えるようになり、色の識別や奥行きの感覚、動く物を追う能力なども発達しています。また、絵本のイラストや小さな文字、表情の変化にも敏感に反応できるようになります。視覚と連動して手先の器用さや運動能力も向上し、積み木やお絵かき、簡単なパズルなどを楽しめるようになりますよ。視覚の発達は学習や社会性の成長にもつながるため、興味を引く遊びや絵本を通して、さらに刺激を与えることが大切です。

赤ちゃんと目が合わない原因は?

発達の個人差

赤ちゃんと目が合わない場合でも、必ずしも心配する必要はありません。赤ちゃんの発達には個人差があり、視覚や人への興味関心がゆっくり育つ子もいます。特に生後1〜3か月頃までは、目の機能や脳の発達がまだ十分でないため、目が合いにくいこともありますよ。また、赤ちゃんの機嫌や体調、周囲の環境によっても反応が変わることがあります。生後3〜4か月を過ぎてもほとんど目が合わない、呼びかけに反応しないなどの場合は、発達の専門医に相談してみるのも1つの方法です。保護者は焦らずに、赤ちゃんのペースに合わせて関わっていくことが大切です。

視力の問題

赤ちゃんと目が合わない原因の1つに視力の問題が挙げられます。生後間もない赤ちゃんの視力は未発達なため焦点を合わせる力も弱く、はっきりと物を捉えることが困難です。特に生後1〜2ヶ月頃までは視界がぼんやりとしており、保護者の顔を認識して目を合わせることは簡単ではありません。生後2~3ヶ月頃から視力は著しく発達するため、物を見分ける能力も向上しますよ。しかし、生後3ヶ月を過ぎても目が合わない場合、斜視や弱視といった視覚に関わる発達の問題が関係している可能性があります。早期発見と適切な対応が重要なため、気になる場合は早めに眼科を受診しましょう。

聴覚や注意力の問題

聴覚や注意力の問題も、赤ちゃんと目が合わない原因の1つとして考えられます。聴覚に異常があると音への反応が乏しくなり、人との関わりへの興味が薄れることがありますよ。また、注意力の発達に遅れがあると、視線を合わせたり人の動きに注目したりする力が弱まり、目が合いにくくなる傾向です。これらの要因は、発達障害や神経発達の遅れと関連している可能性があります。早期の観察と専門医への相談が大切です。

発達障害の影響

赤ちゃんと目が合わない原因に、発達障害、特にASD(自閉スペクトラム症)の可能性が挙げられます。ASDには、他者への興味関心が低く、目を合わせる行動や視線での合図が少ないという特性があります。ただし、目が合わないことがすぐに発達障害を意味するわけではありません。赤ちゃんの気分や体調、個人差も影響しますよ。成長過程で見られる言葉の遅れや感覚過敏、興味の偏りなど、視覚以外のサインも合わせて観察することが重要です。不安がある場合は、小児科医や専門機関に相談しましょう。

自閉スペクトラム症についての詳しい内容はこちらの記事を参考にしてみてください。

周囲の環境の影響

赤ちゃんと目が合わない原因の1つに、周囲の環境の影響があります。例えば騒がしい場所やテレビ、スマートフォンなど、視覚や聴覚への刺激が強い環境では、赤ちゃんの注意が散漫になり目を合わせる機会が減ります。また、保護者が忙しく赤ちゃんとの関わりが少ない場合、アイコンタクトを取る習慣が育ちにくくなります。赤ちゃんの視覚的成長を促すために落ち着いた静かな環境を整えて、目を合わせる機会を増やし、赤ちゃんと向き合う時間を意識的に作りましょう。

他者の視線が苦手

赤ちゃんと目が合わない原因には、発達の個人差や一時的な気分、注意散漫などが考えられます。しかし、他者の視線が苦手で目をそらす傾向が強く、日常的に視線を避けている場合、ASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害の可能性もあります。視線を通じたコミュニケーションが苦手な子どもは、他者からの視線に対し強いプレッシャーや不快を感じる傾向です。頻繁に意図的な目線そらしが見られて発達への心配が拭えない場合は、専門機関に相談することが大切ですよ。

赤ちゃんと目が合わない際の相談先

病院

赤ちゃんと目が合わないことが気になる場合は、まずは小児科を受診しましょう。発達の様子を総合的に診てもらい、必要に応じて専門の医療機関への紹介を受けることができます。発達障害が疑われる場合には、発達外来や児童精神科、地域の発達支援センターなどを紹介されることもあります。早期の相談や診断は、今後の支援や関わり方を考えるうえでとても重要です。悩みや心配を抱え込まずに専門医に相談をしましょう。

保健センター

地域の保健センターも、赤ちゃんと目が合わないことを相談する施設として有用です。保健センターでは、保健師や育児の専門家が発達や育児全般の相談に応じてくれます。例えば、乳幼児健診の際に赤ちゃんの様子を見てもらいながら、発達に関する疑問や不安を伝えることができますよ。また、必要に応じて専門機関への紹介も行ってくれるため、早期の支援につながる可能性があります。1人で悩まず、まずは保健センターに相談してみましょう。

自治体の子育て相談窓口

赤ちゃんと目が合わないことに不安を感じたとき、自治体の子育て相談窓口は心強い相談先の1つです。子育て相談窓口には、保健師や子育て支援の専門職が常駐しており、発達の目安や育児に関する不安について丁寧に対応してくれますよ。育児相談は電話や来所、オンラインでの対応も可能な自治体が増えており、気軽に利用できます。必要に応じて専門機関への紹介も受けられるため、早めの相談が安心につながります。

民間の支援機関

赤ちゃんと目が合わないことに不安を感じた場合、民間の支援機関も相談先として役立ちます。例えば、子育て支援NPOや発達支援センター、親子教室を運営する団体などがあります。こうした支援機関では、育児経験のあるスタッフや子育てに関する専門職員による個別相談、発達チェック、親子の交流イベントなどを行っています。こうした取り組みを通じて、保護者の不安を軽減しながら適切な対応や支援を提供しています。また、同じ悩みを持った保護者同士が交流をすることで、孤立感の軽減にもつながりますよ。インターネットや地域の子育て支援情報を活用して、自分に合った支援機関を探してみましょう。

まとめ

発達には個人差があるため焦らず成長を見守ろう

いかがでしたか。今回の記事では、赤ちゃんと目が合わない原因や赤ちゃんの視覚の発達ペース、困ったときの相談先などについて紹介しました。赤ちゃんの成長には個人差があります。目が合いづらいからといって、必ずしも発達に問題があるわけではありません。周りの大人は、焦らずに赤ちゃんの成長を見守りつつ、必要であれば専門機関に相談してみましょう。また、今回解説した赤ちゃんの視覚の発達ペースを参考に、赤ちゃんの視覚をやさしく刺激する適切な関わり方を取り入れてみてくださいね。