皆さんは、粗大運動や微細運動という言葉をご存知ですか?粗大運動は全身を使って動くことを指します。一方で微細運動は、物を持ったり握ったりといった細かな筋肉の動きを指します。この記事では、粗大運動と微細運動の違いや、それぞれを発達させる方法などを詳しく解説していきます。「粗大運動って大雑把な運動のこと?」「微細運動ってちょっと細かい運動のこと?」というような疑問や興味をお持ちの方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
粗大運動と微細運動とは?
日常生活を送るうえで必要不可欠な運動能力のこと
粗大運動は、全身を使った動きや大きな筋肉を使う動作を指します。例えば、走る動作や跳ぶ動作、バランスを取るといった動作が含まれます。一方、微細運動は手や指先を中心とした細かい動作を指します。例えば、文字を書く動作やボタンを留める、箸を使うなどの繊細な動作が含まれますよ。これらの運動能力は、幼少期の遊びや運動習慣を通じて発達し、日常生活に直結していきます。粗大運動と微細運動をバランスよく発達させることで、日常生活がより豊かで快適なものになります。
参考:walless.net/2021/04/24/粗大運動と微細運動とは?知って日常生活に取り/
粗大運動と微細運動の違いは
それぞれ身体の動かし方が違う
粗大運動と微細運動は、それぞれ動かす筋肉に違いがあります。まず、粗大運動は全身や大きな筋肉を使った動きを指します。例えば走る、跳ねる、腕を大きく振るなどが挙げられます。これに対して微細運動は、手や指先といった小さな筋肉を使う繊細な動きが特徴です。例えばペンを持つ、ビーズをつまむ、紐を結ぶといった細かい動作です。粗大運動と微細運動は、それぞれの目的や役割が異なり、生活の中で自然に使い分けられていますよ。両方の運動能力が発達することで、子どもたちはより多様な活動に挑戦できるようになります。
粗大運動とは
身体を大きく使った動作のこと
粗大運動とは、身体を大きく使った動作のことです。具体的には、走る動作やジャンプする動作、ボールを投げたり高い場所に登ったりする活動が含まれます。この運動は主に大きな筋肉を使うため、筋力やバランス感覚を養いたいときの活動に取り入れるのがおすすめです。例えば、ドッジボールや縄跳び、フラフープや三輪車など、保育施設や療育施設に限らず家庭でも楽しめる運動が挙げられます。また、粗大運動を通じて身体の使い方を学ぶことで、日常生活の動作がスムーズになり運動能力全般の向上にもつながりますよ。幼児期からの活動に粗大運動を取り入れることで、成長に合わせた体力づくりをすることができますね。
【年齢別】赤ちゃんの粗大運動の発達目安
生後3ヶ月~7か月
生後3ヶ月〜7ヶ月頃になると、まず首がすわり始め、頭をしっかりと支えられるようになります。これにより、抱っこされたときやうつ伏せにしたときの姿勢が安定するので、周りを見渡せるようになりますよ。また、手足を活発に動かすようになり、バタバタと動いたり手で物を掴もうとしたりする姿が見られるようになります。これらの動きは、筋力の発達や身体の動かし方を学ぶ大切なステップです。
生後6ヶ月~11ヶ月
生後6ヶ月~11ヶ月頃になると、寝返りやお座りができるようになります。寝返りを覚えることで、赤ちゃんは自分で身体の向きを自由に変えられるようになり、視界が広がることで周囲への興味が深まります。その後、背筋や腹筋の筋力がついてくると、支えがなくても自分で座れるようになりますよ。座る姿勢が安定すると、両手を自由に使えるようになり、手で物を取ったり遊んだりする動きが活発になります。
生後12か月以降
生後12か月以降になると、つかまり立ちや歩けるようになります。この時期、家具や手すりに手を添えて立ち上がるつかまり立ちが見られるようになり、足の筋力やバランス感覚が鍛えられますよ。やがて手を離して数歩進むひとり歩きができるようになり、自分の力でいろいろな場所に移動するようになります。この成長は、行動範囲の拡大とともに、周囲の環境への興味を大きく広げます。歩行のタイミングは個人差が大きいですが、子どもの様子をよく観察し、障害物で転倒しないように安全な生活環境を整えてサポートすることが重要です。
粗大運動の発達を促す遊び
バランスボール
粗大運動の発達を促す1つ目の遊びは、バランスボールです。バランスボールの上に子どもを座らせたりうつ伏せにしたりしながら、優しく揺らしてあげると、赤ちゃんの体幹やバランス感覚を鍛えることができますよ。この動きは筋力の発達を育むだけでなく、優しい揺れにリラックス効果があるため、心地よい感覚を与えることもできます。バランスボールを取り入れる際は、保護者や先生がしっかりと支えながら安全に行い、赤ちゃんが安心できる環境を作っていきましょう。
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トランポリン
粗大運動の発達を促す2つ目の遊びは、トランポリンです。トランポリンは、身体を上下に跳ねさせる動きによって筋力やバランス感覚、体幹を鍛える効果があります。赤ちゃんや幼児の場合は、自分で跳ぶのが難しいため、保護者が支えながら優しく弾む動きを楽しませてあげるのがおすすめです。この遊びを通じて、ジャンプする感覚や身体をコントロールする力が自然に養われますよ。また、トランポリンで跳ねる動きはリズム感の育みにも役立ちます。
マット遊び
粗大運動の発達を促す3つ目の遊びは、マット遊びです。柔らかいマットの上で寝転がったり、転がったりすることで、子どもは全身を使った動きを自然と学ぶことができます。例えば、前転の練習や、マットの上をハイハイする動きは、体幹や手足の筋力を鍛えるだけでなく、身体のバランス感覚を育む効果があります。マット遊びをする際は、保護者や先生と一緒に身体を動かすことで、子どもは安心しながら遊べる楽しい時間にもなりますよ。安全なマットと環境を提供して、無理のない範囲で自由に動き回らせることが、子どもの発達に良い刺激を与えます。
ボール遊び
粗大運動の発達を促す4つ目の遊びは、ボール遊びです。ボールを投げたり転がしたり蹴ったりすることで、腕や足の筋力を鍛えて力のコントロールを向上させることができます。ボール遊びの際には、大きめで柔らかいボールを使うのがおすすめです。保護者や先生がボールを優しく転がし、子どもがそれを追いかけたり受け取ったりすることで、平衡感覚や空間認識を育むことができます。また、ボール遊びはコミュニケーションを深める良い機会にもなるでしょう。楽しみながら身体を動かすことで、遊びが学びへと自然につながっていきます。
微細運動とは
手や指先を使った動作のこと
微細運動とは、手や指先を使った動作のことです。赤ちゃんや幼児の成長過程において微細運動は、物を掴む、指先で押す、つまむなどの動きを繰り返すことで発達していきます。この運動能力は、日常生活での自立や学習において重要な役割を果たしますよ。例えば、クレヨンで絵を描いたり、積み木を重ねたりする動作は、指先の筋力や器用さを鍛える良い機会となります。指先が器用になると、お箸を上手に使えたり自分でボタンを留められたりします。また、微細運動は手と目の協調性を育む効果もあります。
【年齢別】赤ちゃんの微細運動の発達目安
生後2ヶ月~5か月
生後2ヶ月〜5か月の赤ちゃんは、把握反射や小指と手のひらの間にものを入れてつかめるようになります。生後2ヶ月頃になると赤ちゃんは、何か物に触れると自然に手を握りこむ、把握反射と呼ばれる原始的な反射を示します。さらに月齢が進むにつれて、この把握反射はより意図的に握れるように変化していきますよ。生後4ヶ月頃になると、赤ちゃんは手のひらだけでなく、小指と手のひらとの間に物を入れて掴むことができるようになります。この動作は、赤ちゃんの指先の器用さが高まっていることを示しています。
生後6ヶ月~7か月
生後6ヶ月~7か月の赤ちゃんは、親指以外の指と手のひらを使って、より巧みに物を掴むことができるようになります。例えば、小さなラトルや積み木を、手のひら全体で包み込むようにして握りしめたり、指と手のひらで挟み込むようにして掴んだりする様子が見られます。さらに、月齢が進むにつれて、より繊細に指先を動かせるようになります。生後7ヶ月頃には、親指と人差し指を内側に寄せ、ピンセットのように小さなものをつまむことができるようになる赤ちゃんもいますよ。
生後10か月~1歳以上
生後10か月~1歳以上の赤ちゃんは、それぞれの指を独立して動かせたり、親指と人差し指で物をつまんでも他の指が広がらなくなったりします。例えば、小さなブロックを1個ずつ積み上げたり、指で絵を描いたりするような、より細かい動作ができるようになります。このような指先の器用さの向上は、赤ちゃんの知的好奇心を刺激し、様々な遊びができるようになります。例えば、本をめくったり、クレヨンで自由に絵を描いたりするなど、遊びの幅が大きく広がりますよ。
微細運動を促す遊び
積み木
微細運動を促す1つ目の遊びは、積み木です。積み木を掴んだり運んだりする動作は、指先の発達にもつながり、手先の器用さを高めます。さらに積み木遊びは、空間認識能力を育むうえでも有効です。積み木を積んで建物を作ったり、空間を把握しながら積み木を配置したりする中で、子どもたちは、空間を立体的に捉える力を養っていきますよ。積み木遊びを通して、手先の器用さだけではなく問題解決能力や創造性、集中力といった学習や生活に不可欠な能力を身につけていきます。
パズル
微細運動を促す2つ目の遊びは、パズルです。パズル遊びは、ピースを正確な位置に合わせようと試みることで手先の器用さが向上します。なぜなら、パズルを解くためには、ピースの形を注意深く観察して全体像を把握する必要があるからです。また、子どもの空間認識能力も鍛えられるので、形を分析する力も身につきますよ。ピースが合わない場合は、子どもたちが様々な角度からピースを観察して、試行錯誤しながら解決策を導きます。この観察力と導く力は、問題解決能力を育むうえでも効果的と言えるでしょう。
シール貼り
微細運動を促す3つ目の遊びは、シール貼りです。シール貼りは一見簡単そうに見えますが、シールを台紙から剥がし目的の場所に正確に貼るという一連の動作は、指先の器用さを養ううえで非常に効果的です。また、小さなシールをピンセットのようにつまんで貼る動作は手先の筋肉を鍛え、指先の協調性を高めます。さらに、シールを剥がす際に必要な力加減を調整することで、感覚統合も促します。子どもたちの様々な能力を育むうえで非常に効果的な遊びと言えますね。
紐通し
微細運動を促す4つ目の遊びは、紐通しです。紐通しは小さな穴に紐を通すというシンプルな遊びですが、子どもの集中力や手先の巧緻性を高めるうえで非常に効果的な遊びです。例えば、紐を細長い穴に通すという動作では、指先の筋肉が鍛えられて指先の力加減を調節できるようになりますよ。また、紐を引っ張る強さや、穴に紐をまっすぐ入れるという動作は、感覚統合を促して手先の繊細な動きを養います。さらに紐通しでは、小さな穴に紐を通す際に高い集中力が必要なため、集中力を養ううえでも効果的と言えるでしょう。
まとめ
毎日少しずつ粗大運動と微細運動に取り組もう
いかがでしたか?今回は粗大運動と微細運動について詳しく解説していきました。粗大運動は全身を使った動きや大きな筋肉を使う動作を指し、微細運動は手や指先を中心とした細かい動作を指します。これらの運動は、子どもたちの健やかな成長を促すうえで必要不可欠と言えます。しかし、運動能力や様々な発達を適切に育むためには、日々どのような活動を取り入れるのが効果的なのか悩む方も多いかもしれませんね。今回ご紹介した遊びを参考にしつつ、子どもたちの興味関心に合わせた運動や遊びを見つけて、楽しみながら成長を促していきましょう。